プリンシプルの木田さんと言えばGoogle アナリティクスヘルプフォーラム最初のトップレベルユーザーでもあり、大人気の書籍『できる逆引き Googleアナリティクス』(インプレス)の著者でもあり、Tableau好きでも知られています。そんな木田さんの実務を探るべく、お話をお聞きしました。
月商10億円の家電ECをGoogle アナリティクスで解析中
森野 目下、木田さんが分析を担当しているECサイトについて、教えていただけますか。
木田 家電のECサイトで、月のセッションが100万前後、月商10億円いくかいかないかというところです。サイトはパッケージが入っていて、当社が入る前にすでにできていました。とくに問題を起こすわけではないので、そのまま使っています。
森野 まさにGoogle アナリティクス プレミアム(以下、GAプレミアム)を検討するくらいですね。アクセスや売上が伸びるのはうれしいけれど、ちょっと費用感が気になるという、悩ましいところでしょうか。ヒートマップや広告効果測定ツールなど、GAのほかに解析ツールは使っていますか?
木田 要所・要所でヒートマップを使用しますが、基本的にはGAだけです。当社が入る以前はヒートマップを入れっぱなしにしていたのですが、現時点では利用をいったん停止しています。ヒートマップは、サイト改善モードのときには重宝するのですが、それが終わってしまうと“nice to have”で、見られれば楽しいという程度ですよね。
森野 サイトの一部をいじったりすると、その影響が気になって、途端にヒートマップを使いたくなったりしますが、入れっぱなしはいけませんね。
木田 ありもののデータで4~5ヶ月間、改善に取り組んだ結果、一定の成果につながりましたので改善はひと休み。今は、解析とリスティング周りを担当しています。改善をひと休みしているのは、クライアントからリニューアルを考えたいという要望をいただいているからです。解析屋としては、リニューアルをするなら、データを精緻にとったほうがいいですよと提案しました。
森野 たとえばどんなデータですか?
木田 ECなら、まずは会員登録の会員/非会員の区分です。区分ができていないと、正確な会員登録率も導き出せず、改善策を考えることもできないでしょう。当たり前のことのようですが、意外とできているところは少ないんです。