ユーザーエクスペリエンスを追究し、デザインを改善する
通常サイトデザインの改善を行うためには、ECサイトを長く運営し蓄積されたデータや、前述のようにデザイナーの経験、技術などのデザイン力に頼るところが大きい。
しかし、デザインの改善点の目的を「転換率アップ(例)」とした場合、どのような変更を行えばいいのか、これは手探りで、しかも根気よくその答えを探すことになる。だが、このやりかたでは限界があるのを理解する必要があるだろう。
ここ数年重要視されているUX(ユーザーエクスペリエンス)は、ユーザーが訪問した際、商品などの魅力を体験、満足してもらい、その結果として売上アップへとつなげるという考えかただ。
つまり、ユーザーに満足してもらい、何度も訪問したくなるようなサイトをデザインする。それが転換率をアップするデザインということになる。この満足度や魅力をデザインに生かすには、どうすればいいか。その答えを導いてくれるのがA/Bテストである。
A/Bテストが注目を浴びたのは、オバマ大統領の選挙活動の時であるのはよく知られている。複数の画像やテキストの文面、ボタンの色、配置などを比較しながら、一番クリックされる条件を見つける。これがA/Bテストの基本だ。そのA/Bテストを効率よく行うツールが「VWO」である。
イギリスのシャツメーカー「Thomas Pink」の事例
たとえば、イギリスのシャツメーカー「Thomas Pink」では、A/Bテストの実施過程において、コンバージョンは、2.3%から2.6%に上がり、売上が大きく改善された。
継続的に改善を続けることよって、さらにコンバージョンレートを上げ、時間をかけて、当初とはまったく異なるLPのデザインとなっている。テストと改善を繰り返し、目的とするデザインにたどり着いたのだ。