進化したゲーミフィケーションマーケティング
ウェブ接客ツールの開発元であるSprocketは、スマートデバイスなどを中心に開発を行っているゆめみから分社化して設立された会社だ。Sprocketの代表である深田浩嗣氏は、2010年、11年ごろにゲーミフィケーション(Gamification)に興味を持ち、コストをかけずにユーザーと良い関係を築けないかと模索していた。ご存じのように、ゲーミフィケーションは、ゲームの楽しさの要素や思考を別の分野で活かし、ユーザーとコミュニケーションをとるといったマーケティング手法である。
ゲーム的な発想をマーケティングに使うことにより、ユーザーが金銭以外のインセンティブで行動してくれるのではというのがそもそもの発想だったが、ゲーミフィケーションというワーディング自体それほど盛り上がらなかったと深田氏は話す。そこでSprocketは、このゲーミフィケーションという考えかたを変えて、ウェブ接客という形に進化させたのだ。
下図は、キャンペーン時のユーザーへの誘導とカート離脱防止例だ。どちらも効果が数字に表れている。
ユーザーの心をつかむ接客術とは
ユーザーの行動を考えた場合、ポイントやクーポンの付与などによってユーザーを動かすことができるのは一時的なもので、本来は、大きなトレンドで、ユーザーにファンになってもらうことが重要だ。
つまり、ユーザーがその会社(ショップ)を好きになるには、その会社の考えかたや商品そのもので、金銭やポイントの付与ではそのような関係を築くことはできないと考えた。
そこで接客の手法を「セールス型」と「ホスピタリティ型」に分けて考え、店舗や企業の考えかたにあったウェブ接客を行うのだ。これができるのがSprocketの特徴である。