ディーゼル、ジル サンダー、メゾン マルジェラ、マルニなどを運営するOTBグループが、2024年度の業績を発表。新規出店やデジタル戦略の強化により、売上の57%を直販チャネルが占める結果となった旨を公表した。

なお、同グループの2024年通期の総売上高は18億ユーロ、恒常為替レートで比較すると2023年比では4.4%減の結果となっている。業績発表の主要トピックは、次のとおり。
直販チャネルの成長と市場拡大
直営店舗の増加と新市場への参入
直販チャネルは、2023年比で7.4%の増収。現在では総売上の57%を占める結果となっている。2024年、直営店舗は61店舗増加し、合計608店舗に到達。日本(+16.3%)、北米(+13.3%)といった既存市場に加え、中東やメキシコなどの新市場にも進出することで成長を実現している。なお、同グループにとって日本は最重要市場の一つで、全事業の26%の売上を占めているという。
中東市場への本格参入
UAEのラグジュアリー販売企業シャルー グループとジョイントベンチャー協定を締結し、中東でのブランド認知を強化。新規出店とeコマース戦略を推進しているとのこと。
メキシコ市場への進出
現地法人を設立し、2025年にはディーゼル、メゾン マルジェラ、マルニが15店舗を開業。今後5年間で、約50店舗を展開する計画だという。
デジタルイノベーションの推進
AIと自動化による業務効率化
新たな統合プラットフォームを活用して事業活動の調和とデジタル化を図る戦略プログラムの稼働を開始。OTBの全ブランド運営をグローバル規模でおこない、財務、販売、流通機能といった運営モデルの改革、簡素化を目指しているという。
加えて、グループの流通拠点にもオートメーションシステムを採用。RFIDによる製品識別、リアルタイムモニタリング、全プロセス分析のためのプロセスマイニングツール、輸送ソリューションの策定やサービスレベルのモニタリングのための輸送管理システム、コスト管理、CO2排出量など、生産性向上を目的とする最先端技術の導入も相次いで実施しているとのこと。
- 製造工程の最適化:ディーゼルの製造プロセスにAIを導入し、製造プロセス内での素材の変化を予測する技術を開発。また、AR(拡張現実)眼鏡の活用によりリモートで製品開発を実施
- 物流の自動化:RFIDやプロセスマイニングツールを活用し、リアルタイムの在庫管理を実現
- eコマースの強化:一部ブランドのECサイトにAIチャットボットを導入し、パーソナライズされた商品提案を実施
ブロックチェーンによる透明性強化
ジル サンダー、メゾン マルジェラ、マルニの製品にNFCタグを導入し、ブロックチェーン技術を活用した真贋認証も実施している。