売れるために必要な「自己理解」と「必要経費の捉え方」
4. 自分のオンラインショップの「売れやすいルート」を知る
SNSやYouTubeは強力な集客ツールですが、すべてのショップがこのルートで売れるわけではありません。「売れやすいルート」は、商材やショップによって異なります。
- お客様となる方がどこにいるのか(=本当にこのSNSにいるのか)
- どこから訪問した方が購入をしているのか(=どこで発信した情報が重宝されているのか)
この2項目は常にチェックして、注力するチャネルや優先順位づけを間違えないようにしましょう。その上で、Instagramと相性が良いのであれば、第10回で紹介した「Instagram内のSEO対策をする」「Instagramはハイライトで導線を作る」を、そのほかのSNSでも、第1回でお伝えした「SNSプロフィールには、オンラインショップのリンクを貼る」「SNS投稿は、商品ページのリンクを貼る」を実践してみてください。
5. 発信は「得意」を起点にして使い回す
今は、次々と新しいSNSや集客法が出てくる時代です。年々やるべきことが増えた結果、施策がとっ散らかり、結局どれも中途半端で終わってしまう方をたくさん見てきました。
多くの情報が発信される時代にただ情報を流しても、お客様の目には留まりません。「量より質」の担保と、選択と集中が必要な時代だといわれる一方で、集客ルートを一つに絞ると、プラットフォーム側の事情で集客・発信ができなくなった際にリスクが大きくなってしまいます。
リスク分散とリソースを有効活用するための絞り込みのバランスは、みなさん悩まれるポイントかと思いますが、私は現時点では「小規模運営のオンラインショップであれば、まずは自分たちの得意な発信方法を徹底的に攻略し、それを起点にコンテンツの転用ができないかを考える」ことをお勧めしています。
もちろん、単に自分たちの得意な発信方法を突き詰めるのではなく、第5回で紹介したように「お客様の属性、ライフスタイル、価値観を観察する」ことも大事です。しゃべるのが得意な方であれば、Instagramでのライブ配信やリール動画、TikTokへの投稿を起点にし、話した内容を文字起こしした上でメルマガやブログにリライトすれば、顧客接点を増やせます。文章を書くのが得意な方であれば、ブログを起点にInstagramの投稿をしたり、要点をまとめた動画をリールにアップしたりといった展開が可能です。
顔出しをしたほうが親近感は増しますが、どうしても抵抗感がある場合は声だけでお届けするなど、ハードルを下げる方法はいくらでも存在します。とにかく、こうした発信は始める最初の一歩が肝心です。ぜひ「得意」や「できること」から始めてみてください。
6. 「広告費は必要経費」という考えをもつ
競合が多い今は、広告なしでオンラインショップの売上を伸ばすのが難しい時代です。第7回で「広告費の上限を決め、運用を開始してみる」とアドバイスしたように、毎月少しずつで構わないので、広告運用にトライしてみることを私はお勧めしています。月に何十万円も広告をかける必要はありませんが、数万円程度は必要経費と捉え、チャレンジしてみましょう。
ちなみに、私が支援するオンラインショップは少人数運営なケースが多く、1ヵ月あたりの広告費が5万円以下の方もたくさんいます。少額でも考え抜いて運用し、きちんと利益を生んでいる方は存在するので、ぜひ試行錯誤してみてください。商材などにもよりますが、私はこういったオンラインショップの方には、InstagramやFacebookに出稿できるMeta広告をお勧めしています。