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【ハイブリッド開催】ECzine Day 2025 Winter

2025年2月4日(火)13:00~18:45

一歩踏み込んで掴む オンライン海外市場

越境ECは身近な東アジアから攻略せよ Z世代消費・ダブルイレブン戦略のヒントをデータから読み解く

 コロナ禍は、人々のデジタルシフトを加速させる一つのきっかけとなりました。失われたインバウンド需要取り込みのため、越境ECでの販路獲得を進めた方もいたでしょう。2023年以降はインバウンドの復活により、改めて「継続的な顧客接点構築」として越境ECが注目を集めています。本連載で、2024年に何をすべきか一緒に考えてみましょう。連載第17回は、毎年著者が所属するBEENOSグループが発表している「越境ECヒットランキング」を基に、「データから見る東アジア」についてお伝えします。

前回の記事はこちら

経済成長国も多い東アジア よく売れる商材は?

 BEENOSが2020年から毎年開催している「越境ECヒットランキング発表会」。同発表会は、越境EC支援サービス「Buyee」の購買データから年間の消費傾向を振り返り、海外でヒットした商品カテゴリをランキング形式で紹介しています。

 同ランキングを発表するなかで、「年1回の情報だけではなく、もう一歩踏み込んだ情報も知りたい」というご要望をいただいていました。そこで今回は、同ランキングの番外編としてBuyeeで流通量の多い東アジアエリアの動向やトピックスを紹介します。回を分けて北米エリア編も公開予定なので、楽しみにしていてください。

 ここからは、過去に発表したデータを基に、東アジアエリアの越境EC動向を探ります。まずは、人気カテゴリトップ5の変遷を見ていきましょう。

東アジアエリアのカテゴリトップ5の変遷
※2022年は例年とコンテンツで実施したため、エリア別のランキング発表はなし。2023年からはカテゴリの集計方法に変更を加えている(クリックすると拡大します)

 どの年を見ても、東アジアエリアでは「おもちゃ」「ファッション」系のカテゴリが人気トップ2となっています。2023年はカテゴリの集計方法に変更を加え、「おもちゃ・ゲーム」カテゴリから「フィギュア」「トレーディングカード」を独立させましたが、単独でもランキング入りしているのが大きな特徴です。ここから、東アジアエリアにおける日本のアニメ・IP分野の人気の高まりがうかがえます。

 一般社団法人 日本動画協会が発表する「アニメ産業レポート2023 サマリー」によると、日本のアニメ産業市場は2022年に約3兆円に拡大しています。けん引するのは海外市場で、2013年には2,823億円規模だったものが、2022年には1兆4,592億円にまで急成長しました。もちろん、越境ECにもこのトレンドは反映されています。

 東アジアにおける越境ECニーズの高まりには、生活水準の向上も関係しています。国際通貨基金(IMF)の統計を基にグローバルノートがまとめた「世界の実質GDP成長率 国別ランキング・推移(IMF)」によると、2023年の各国の成長率は中国が5.24%、台湾が1.4%、香港が3.22%、韓国1.36%、モンゴル7.02%、マカオ80.53%となっており、日本が1%台であることを踏まえると、各国と地域の成長力が見えてきます。こうした東アジアエリア各国の消費者の可処分所得が増えれば、趣味分野や高付加価値商品への購入の増加が期待できるでしょう。

 なお、2023年の東アジアエリアのカテゴリ伸長率ランキングに目を向けると、1位が「チケット・金券」、2位が「カメラ・光学機器」、3位が「本・雑誌」となっています。「チケット・金券」ではコレクション性のあるテレホンカードなどが人気です。

 「カメラ・光学機器」は後ほど説明しますが、ユーザー層の変化が伸びの理由となり、「本・雑誌」は原画や写真集などといったアート・エンタメ系の書籍のほか、雑誌や漫画などが売れています。エンタメ人気や需要の増加は、こうした分析からも確認が可能です。

 ちなみに、Buyee全体の流通から見た2023年の伸長ランキング1位は「タレントグッズ」でした。これはK-POP人気による影響が大きく、北米など他エリアがけん引していました。また、Buyeeの流通量としてはまだ成長途上の規模感ですが、「ファッション小物」や「ハンドメイド品」「文房具」なども伸び率が高くなっています。

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この記事の著者

BeeCruise株式会社 執行役員 グローバルマーケティング From Japan担当 本間哲平(ホンマテッペイ)

2008年 スタートアップのD2Cメーカーに入社。小売・流通業界のリアル店舗からEコマース分野において事業開発及びマーケティング全般を担う。2012年に同社グループのコスメ会社を経営責任者として立ち上げる。2014年tenso株式会社に参画し、国内ECサイトの海外販売支援に従事。2015年に同社の執行役員に就任。現在は国内企業の海外進出時のマーケティング事業や自社サービスの越境ECプロモーション、新規事業...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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