スマホのCVRを嘆くより、PCとチームとして考えよう
黄金の公式は崩壊しました。本当です。こと、スマホに限っては。基礎の勉強に有効なこと変わりありません。しかし、スマホが普及し、買物客のライフスタイルを変化させ、上の公式のようには単純に分解できなくなりました。この公式は、タッチポイント(お客様との接点)が1つ(自宅のPC)しかなかった時代の産物です。
あの頃は(遠い眼)、1つひとつの要素が連動していない前提で、分かりやすく単純化して捉えることが可能でした。そうすることで、1つひとつ独立した施策が採られ、実際に効果を上げることができたのです。コンサルティングも、誰にでも当て嵌まるという意味で楽でした。そんな頃、CVRという尺度か便利だったのです。
例えば、PCやスマホといったデバイスが、買物客にどう扱われるか考えてみましょう。よく言われている通り、スマホで商品や関連情報をチェックし、PCで購入するといった場面が少なくありません(スマホ経由の購買率が80%にも達するようなショップを除いて)。それなのに、「スマホからの流入は多いのに、PCと比べてCVRが低い」と嘆くことにどれだけの意味があるのでしょう。端からハンディキャップ戦なのですから。むしろ、PCとスマホはチームとして考えるべきです。先鋒としてのスマホの象徴的な役割は「とりあえず、ウィッシュリストに入れる」ことです。
局地戦のCVRが通用しなくなった今日、CROという戦術が首をもたげてきました。しかし、CROは全体最適指標であり、部分最適指標としてCVRに替わるものではありません。私たち「ながらスマホ」生活には、新しい指標が必要なのです。ただ、私たちが日々糧を食み、未来に結び付けていくには、それを待ってはいられません。
私たち支援サイドは、PCやスマホといったガジェット(小道具)を使いこなせるが故に、天狗になってはいないでしょうか。私たちこそ、樹を見て森を見ていないのではありませんか。実店舗と比べて、ECのほうが定量評価が容易で、そのアプローチは今後オムニチャネルを経て、リアルの店頭にも浸透していくでしょう。それでも、実店舗を見下すのは大きな誤りです。彼らには遍く揺るぎなく指標があります。売上です。
分解ができなくて道に迷ったら、受注件数や売上高に回帰して考えればよい。気取ったことが言えなくてゴメンナサイなのですが、信念を持って語ります。デバイスごとの施策の積み重ねは必要だけれど、改善の指標も必要だけれど、目的はデバイスなんて何でもいいから売れること、儲かることです。