ユミルリンクとライトアップはメールマガジンおよびLINEに関する共同調査を実施した。CRM施策として有用な2つの媒体の実態について、調査結果からその傾向を紹介している。
情報収集に長けたメールマガジンと生活に根付くLINE
今回のアンケートでは、メールマガジン・LINE双方のユーザーに対して、それぞれどのように利用しているか動向調査をおこなった。CRM施策のツールとして比較されがちなメールマガジンとLINEについて、調査結果からそれぞれの持つ特性が見えてきたという。
登録のきっかけとして、「クーポンがもらえるから」という理由がともに1位となっているが、メールマガジン=57.8%、LINE=60.5%とLINEのほうがより顕著にクーポン利用を目的としていることがわかる。
また、LINEの場合は情報収集を目的とした登録理由が軒並みメールマガジンよりも低い結果となっている。
アプリを開くタイミングに関する質問では、「通知がきたとき」が双方とも最多となったが、LINEはメールマガジンに比べて、「クーポンの確認・提示」の割合が上回っている。これはLINEを利用した実店舗でのクーポン利用が定着していることが関係していると考えられる。
また、メールマガジンに比べ、LINEはWeb上での情報確認に利用する頻度が低いことが判明した。
これらの結果から、メールマガジンは情報収集やECでの購買活動などWeb上での活用が多いことがうかがえる。一方でLINEは、情報収集やWebでの利用シーンは少なく、リアルでのクーポン利用など、より実生活に根ざした目的で使われていることがわかる。
Webはメールマガジン・クーポン利用はLINE…購買行動にそれぞれの強み
メッセージを受け取った後の行動を見ると、メールマガジンは「Webで購入・申し込み」「Webでクーポンを利用する」という行動がそれぞれ、45.7%・48.6%で上位を占めている。つまり、Webでの購買行動に大きな強みがあると考えられる。
一方、LINEは「Webでクーポンを利用する」「WebやSNSで検索する」が上位となり、それぞれ45.7%、37.5%に。また、LINEは「店舗でクーポンを利用する」の割合が35.3%と高く、Webも含めてメールマガジン以上にクーポン活用へのモチベーションが高いことがうかがえる。反面、その場で利用する利用形態には強いものの、検索や申込みなど、新たな行動へ誘導することは難しいことがわかった。
ECサイトでの1回のお買い物金額は、すべての金額帯でメールマガジンが有利に
決済額に関しても、ECでの購入はどの金額帯でもメールマガジンがLINEを上回っていた。メールマガジンは4位に「10,000円以上」という高額な金額帯がランクインしていることからも、メールマガジンはWebでの購買行動に影響していると推察される。
LINEに注目してみると、0~6,000円までの金額帯ではECよりもリアルでの購買行動の割合が高くなっている。一方で、「申し込みをしたことがない」がリアル・ECともに18%・18.8%と1位に。メッセージをきっかけに取った行動とあわせて考えると、LINEは店舗でのクーポン利用促進に向いているといえる。
LINEはインパクト重視 しっかり読ませたいならメールマガジンで
メールマガジンとLINE、双方でテキスト・画像・動画をどの程度見ているか、という質問では、「すべて見る」「気になった情報だけ見る」と回答した割合を見ると、テキスト・画像・動画ともにメールマガジンのほうがより見られていることがわかった。一方で、画像に関しては「すべて見る」を選択した割合がLINEのほうが多くなっており、クーポンを含めた画像情報への注目度は高いことがわかる。
続いて、双方の配信停止(ミュート・ブロック)のタイミングについて質問したところ、メールマガジン・LINEともに「興味のない情報」が最多に。メールマガジンで配信停止の原因として高い割合を持つ「配信頻度」については、LINEではやや低い数値となっており、ブロックよりもミュートの原因となることがわかる。
また、1通あたりの情報量もミュートの原因となっている。これは1通ずつ蓄積されるメールと、アカウントごとに表示されるLINEとのUIの違いが影響していると推測される。
LINEのブロック理由の2位には「登録した覚えがないアカウントからメッセージが届いたとき」があげられており、メールマガジンよりも順位が高い傾向に。LINEはメールマガジンよりも登録ステップが簡潔なため、目的を果たした後に登録したことを忘れてしまっている、などの原因が考えられる。
調査概要
- 調査期間:2023年8月25日~2023年8月28日
- 調査地域:全国
- 調査対象:企業やブランド、店舗などのメールマガジンを登録している、および企業やブランド、店舗などのLINE公式アカウントを登録している20歳以上の男女
- 有効回答数:1,110人
- 調査方法:インターネットリサーチ