日経BPは、マーケティング専門メディア「日経クロストレンド」が「マーケティング」「消費トレンド」「テクノロジー」の潮流を見極める「トレンドマップ 2024下半期」を発表した。
今回の調査では、全95の注目キーワードがランキング化されている。日経クロストレンドの外部アドバイザリーボード約50人と編集部の専門家が協力し、キーワードを「将来性」と現時点での「経済インパクト」の観点から分析した。
2024年4月に実施された前回調査との比較で、分野別で将来性スコアが伸びたトップ3は、マーケティング分野では1位「SDGs」(持続可能な開発目標)、2位「ソーシャルメディアマーケティング」、3位「UGC(ユーザー生成コンテンツ)」。また、消費トレンド分野では1位「ミレニアル世代」、2位「α世代」「シェアリングサービス」、テクノロジー分野では1位「バーチャル・ヒューマン・エージェント(VHA)」、2位「IoT」、3位「VUI(音声ユーザーインターフェース)」となった。
一方、経済インパクトについて各分野で最も高い伸びを示したキーワードは、マーケティング分野では「UGC(ユーザー生成コンテンツ)」、消費トレンド分野では「サーキュラーエコノミー」、テクノロジー分野では「GNSS(測位衛星システム)」だった。
時流を踏まえて今回の調査から新たに追加されたキーワードは、マーケティング分野の「AIエージェント」「デジタルサイネージ(DOOH)」、消費トレンド分野の「パワーカップル・パワーシングル」。分野別スコアランキングは、マーケティング分野のAIエージェントが32キーワード中8位、デジタルサイネージが17位という結果に。消費トレンド分野のパワーカップル・パワーシングルは、33キーワード中10位となった。
今回のトレンドマップ2024下半期調査は、24年10月に実施された。主なトピックスは次のとおり。
トレンドマップ2024下半期のポイント
将来性スコアの上昇で注目される「VHA」と「ミレニアル世代」
テクノロジー分野では「バーチャル・ヒューマン・エージェント(VHA)」が、消費トレンド分野では「ミレニアル世代」がそれぞれ大きなスコア上昇を記録。特にVHAは、人間のような知性を持つAIキャラクターとして、生成AI技術の進化とともに注目度が急上昇している。マーケティング分野では「SDGs」が将来性の高いトレンドとして評価された。
経済インパクトのスコアで最も伸びたのは「サーキュラーエコノミー」
経済インパクトのスコアで前回調査から分野横断で最も伸びたのは、消費トレンド分野の「サーキュラーエコノミー」(スコアは0.53ポイント増の3.00)で、資源の循環と経済成長の両立を目指す取り組みが産業界全体にも波及。トヨタ自動車や豊田通商、アイシンなどが自動車産業におけるサーキュラーエコノミーの実現に向けた団体を設立するなど、その影響力が拡大している。
マーケティング分野で経済インパクトの伸びが1位だった「UGC」(スコアは0.43ポイント増の3.39)は、商品のヒットや話題性の創出において重要な役割を果たしており、来店体験を通じたUGC生成を推奨する店舗も増加している。