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「Google タグ」の設定は現状よりも先回りして行おう
2023年7月1日に、ユニバーサルアナリティクス(UA)から「Google アナリティクス 4(GA4)」へ移行し、本格運用が始まって3ヵ月ほど。山田氏の観測範囲では「業界内でも、特に大きな混乱は起きていない」とのことだが、「ウェブ解析のスキルによって、GA4から得られる情報の解像度が違う点については、課題に感じている人が多い」そうだ。
「また、UAをある程度使いこなしていた方からも『これまで通りの分析ができない』といった声が上がっています。軸となる指標が変わっているので発想の切り替えも欠かせませんが、分析ツールとしての過不足はアップデートの中でつぶしていくと見られるため、Googleの動向には注視していきましょう」
直近では、「Google タグ マネージャー」からGA4にイベントデータを送信する際に必要なタグが「GA4 設定タグ」から「Google タグ」へと変更されている。これは2023年9月に実施されているが、Googleタグマネージャーに設定済みの既存のタグは自動で移行されるため、特に事業者側で改修を行う必要はない。ただし、新たにタグを追加する際は今までと構成が異なっているため、今一度確認しておくと良いだろう。
「また、BigQueryにエクスポートできるデータの種類が増え、ユーザー単位のデータも利用可能になりました。そのため、特にBigQueryを使って分析を行う事業者は、新たに利用できるようになったユーザー単位のデータをエクスポートできるよう、設定をお勧めします。『今はまだデータの数が少ないからそこまで詳細に見る必要はない』と考えている場合も、将来的にロイヤルユーザーの動きを捉えたいタイミングが来るかもしれません。その時に手元に少なくとも1年分のデータはないと、適切な判断が難しくなってしまうので、タグ設定については少し先読みをした判断が必要だといえます」