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今さら聞けないEC知識

StripeとPayPalはどう違う?決済方法でおすすめなのは?


 ECサイトの決済方法にはさまざまなものがあり、クレジットカードからコンビニ払い、銀行振込やキャリア決済など消費者が利用しやすいものを選ぶことが重要です。中でも近年多くのサービスが乱立している決済代行サービスは、どれを導入すればよいか迷うことも多いでしょう。本記事では、決済代行サービスの中でも代表的なStripeとPayPalについて詳しくご紹介します。

StripeとPayPalとは

 まず、StripeとPayPalはどのような決済代行サービスなのか確認しておきましょう。

Stripeとは

 Stripeとはオンライン決済インフラのひとつで、日本では2016年からサービスを開始しました。Stripeのプラットフォームを通じてクレジットカードやGoogle Pay、Apple Payなどさまざまな支払い方法に対応できるため、独自にシステム開発などを行わなくても複数の決済手段を導入できます。

 事業者はアカウントを作成する必要がありますが、ECサイトの利用者自身はアカウントを作成する必要がないため、手軽に利用できます。購入手続きがシンプルなため、ECサイトで「この品物が欲しい」と思ったときにすぐ決済でき、「決済手続きが面倒だから購入をやめよう」と離脱してしまう人を減らせるでしょう。

PayPalとは

 PayPalとは決済代行サービスのひとつで、全世界の2,400万店舗以上で利用可能、3億人以上がグローバルに利用している幅広い認知度と信頼性を誇ります。日本初の後払い決済「Paidy(ペイディー)」を買収したことなどで名前を知っている人も多いのではないでしょうか。

 事業者自身のアカウント作成のほか、利用者もアカウント作成の必要がありますが、アカウント取得後は決済用のクレジットカードや銀行口座を登録することで使えるようになります。登録の手間はかかりますが、ECサイトでカード情報を入力する必要がないことから、アカウントだけで安全に利用できることがメリットです。

StripeとPayPalの違い

 StripeとPayPalにはどのような違いがあるのか、項目別に詳しく見ていきましょう。

費用

 StripeとPayPalの費用面での違いは、次のようになっています。

Stripe PayPal
初期費用 無料

無料

月額費用 無料 無料
決済手数料 3.6% 国内:3.6%+40円/件
海外:4.1%+40円/件
入金手数料 無料 5万円以上:無料
5万円未満:250円/件
返金手数料 0円 0円
通貨換算手数料 2% 4%

 StripeとPayPalはいずれも初期費用・月額費用なしで利用スタートできます。決済手数料や入金手数料、通貨換算手数料などに違いがありますので、海外利用が多い、少額の入金が多いという方はStripeの方が、コストパフォーマンスが良さそうです。

クレジットカードブランド、その他決済

 StripeとPayPalで使えるクレジットカードブランド、またその他の決済方法について見ていきましょう。

Stripe PayPal
カードブランド VISA
MasterCard
JCB
American Express
DISCOVER
Diners
VISA
MasterCard
JCB
American Express
DISCOVER
その他決済 Apple Pay
Google Pay
Microsoft Pay
Alipay
Masterpass
Visa
Checkout
WeChatPay
UnionPay(銀聯カード)
各種銀行振込(みずほ、三井住友、三菱UFJ、ゆうちょ、りそな)

※StripeのJCB利用には申請が必要、WeChataPayはベータ版です。

 StripeとPayPalいずれも、代表的なクレジットカードブランドは利用できることがわかります。その他の決済方法については大きな違いがあり、Stripeでは各種ウォレット払いを利用できますが、PayPalでは銀行振込を利用できます。どちらを利用する人が多いかで導入するサービスを検討しても良いでしょう。

年齢制限

 PayPalの利用は18歳以上に限られるという制限があります。Stripeには年齢制限がありませんが、未成年者の利用に保護者の同意が必要です。

導入までの所要時間

 導入までの所要時間はStripeで数分程度、PayPalで2〜4週間程度かかります。PayPalの導入を考えているなら、計画的に行う必要があるでしょう。

StripeとPayPalを導入するメリット

 StripeとPayPalを導入するメリットについて、それぞれ見ていきましょう。

Stripeのメリット

 Stripeを導入するメリットには、次の4つが挙げられます。

  • 料金体系がシンプルでわかりやすい
  • 流行のウォレット払いに対応している
  • 利用者がアカウントを登録せずに利用できる
  • 構築済みのフォームやSDK(ソフトウェア開発キット)を使える

 Stripeは料金体系がシンプルで、初期費用や月額費用が無料なのはもちろん、決済手数料は一律3.6%、入金手数料は一律無料であることが大きなメリットです。また、流行のウォレット払いに対応していること、利用者がアカウント登録しなくても使えることから、手軽で素早い支払いで利用しやすいサービスと言えます。

PayPalのメリット

 PayPalを導入するメリットには、次の4つが挙げられます。

  • 初期費用が無料
  • 返金の際、決済手数料の一部が戻ってくる
  • 少額決済の手数料を抑えられるプランがある
  • 事業者に決済情報を非公開にできるなど、買い手保護の観点が大きい

 PayPalの決済手数料は3.6%+40円(国内)、または4.1%+40円(海外)でStripeと比べて手数料が多めにかかることは一見デメリットのように思えます。しかし、PayPalでは返金が生じた際、3.6%分は返金されます。固定費の40円だけは返ってきませんが、頻繁に返金が生じる取引が起こりうるのであればPayPalの方が、決済手数料が少なくなるでしょう。

StripeとPayPalを導入する方法

 最後に、StripeとPayPalを導入する方法についてそれぞれ簡単にご紹介します。

Stripeを導入する方法

 Stripeを導入するには、次の手順で行います。

  1. Stripe公式サイトの「今すぐ始める」をクリック
  2. 「Stripeアカウント作成」でアカウントを作成後、必要事項を入力し、ボタンをクリック
  3. 「本番環境利用の申請」または「Stripeアカウントを有効にする」をクリック
  4. 「Stripeアカウントを有効にしました」と表示され、完了

 Stripeの導入は約5〜6分で完了しますが、JCBカードを利用したい場合は別で審査が行われるため、3営業日〜3週間程度かかることに注意が必要です。

PayPalを導入する方法

 PayPalを導入するには、次の手順で行います。

  1. ビジネスアカウントを登録する
  2. 初期設定と本人確認手続きを行う
  3. 決済サービスを選択する

 ビジネスアカウントの登録は1分程度で完了しますが、本人確認手続きなどに時間がかかるため、PayPalの導入には2〜4週間かかることに注意しましょう。

StripeとPayPalにはさまざまな違いがある。ECサイトに合った決済を選ぼう

 StripeとPayPalには、今回ご紹介したように費用面、使える決済方法、年齢制限、導入までの所要時間などさまざまな違いがあります。特に、使える決済方法や費用面の違いは使いやすさ、コストパフォーマンスを考える上で非常に重要なポイントです。よく検討し、自社のECサイトに合った決済方法を選びましょう。

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この記事の著者

EC研究所(イーシーケンキュウジョ)

ECについての情報を調べ、まとめてお届けします。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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