Stripe(ストライプ)とは、オンライン決済サービスのひとつであり、世界中の多くの企業で使われています。金融機関の口座やデジタルウォレットなどと連携しているので決済がスムーズで、使い勝手の良さが特徴です。
リリース以降新たな機能が続々と追加されており、時代に合ったサービスへと進化を続けています。この記事では、Stripeの基本的な特徴や手数料、利用するまでの手順などを詳しく解説します。
Stripeとは?
Stripe(ストライプ)はオンライン決済サービスですが、まずはどのような特徴を備えているのかを把握しておきましょう。
Stripeの基本的な特徴
日本では2016年からサービスを開始したStripeは、大企業や中小企業、個人事業主まで幅広く利用されているオンライン決済システムです。
初期費用や月額利用料は不要で、決済成立ごとに手数料3.6%が加算されるシンプルな仕組みが特徴です。支払い管理に必要な100以上の機能が完備されているため、多くのユーザーが利用しています。
アカウント作成後すぐ利用でき、24時間対応してくれるカスタマーサポートもあるので、初めてでも安心して利用できるでしょう。
Stripeの仕組み
Stripeはさまざまな決済方法を一括で受けられるアプリを開発しているため、導入する企業が独自にシステム開発を行う必要はありません。Stripeのプラットフォームを通じて、クレジットカードやGoogle Payなど複数の決済手段に対応できます。
自社のビジネスにあわせて自由にカスタマイズできる部分が大きいので、さまざまな事業や業種で活用できるでしょう。
Stripeのメリット・デメリット
Stripeには多くのメリットがある一方、気をつけておきたいデメリットもあります。それぞれポイントについて解説します。
Stripeのメリット
Stripeを導入するメリットはおもに次の4つです。各メリットについて見ていきましょう。
審査不要なので手軽に導入できる
Stripeでは他社で行われているような審査を基本的に行っておらず、企業の登記番号や電話番号、銀行口座情報などを入力すれば最短1日で利用を開始できます。
スピーディーに決済代行サービスを利用したいときに、おすすめのプラットフォームだといえるでしょう。
利用料金が決済手数料のみでシンプル
Stripeの大きな特徴のひとつとして、料金体系がシンプルな点が挙げられます。決済手数料は一律3.6%で、そのほかの手数料はかかりません。
初期費用や月額利用料などがかからないため、ランニングコストを抑えながら運用できます。長く利用することを考えれば、Stripeを使うメリットは大きいといえるでしょう。
購入側が会員登録を行う必要がない
たとえばPayPal(ペイパル)などのサービスでは、利用にあたって販売者と購入者の双方がアカウントを作成しておく必要があります。しかし、Stripeの場合は販売者のみのアカウントで運用ができ、購入する側が会員登録などを行う必要はありません。
購入にあたって手続きがシンプルであるのは大きなメリットであり、決済時の離脱を防いでくれます。 ただし、メールアドレスやクレジットカード情報の入力は必要なので、ユーザーにきちんと周知しておきましょう。
支払いの数量・間隔・設定をカスタマイズ可能
Stripeでは、支払いの料金モデルを自由にカスタマイズできます。支払い回数や間隔については「一括」もしくは「継続」での選択ができるので、ビジネスに合わせて活用可能です。
「継続」の場合はサブスクリプションのような運用が可能で、請求期間を日次、月次、年次などに設定したり、3ヶ月ごとに請求したりといった使い方もできます。販売する商品やサービス内容に応じて、自由に設定してみましょう。
Stripeのデメリット
Stripeには多くのメリットが備わっていますが、気をつけておきたいデメリットもあります。どのような点に気をつけるべきかを解説します。
実店舗での受け取りは日本未実装の「Stripe Terminal」
クレジットカード決済やGoogle Pay、Apple Payなど多様な支払い方法に対応しているStripeですが、実店舗で支払いを受けるためには「Stripe Terminal」というオプションを利用する必要があり、執筆時点では残念ながら日本では未実装です。
「Stripe Terminal」を導入すれば、カードリーダーなどを設置することで実店舗での決済がスムーズになり、オフラインでの販売においても顧客に対して多様な決済手段を提示できるため、実装が待たれます。
決済手数料は返金されない
Stripeでは、代金の全額や一部を返金することが可能です。しかしその際、決済手数料は返金されません。決済手数料を差し引いた形で返金される点に注意しましょう。
APIドキュメントはすべて英語表記
Stripeは日本にも事業所があるので、運用にあたって日本語のサポートを受けられます。しかし、APIドキュメントはすべて英語表記であるため、英語での開発に対応可能な人材を確保しておく必要があります。
APIドキュメントについて、2020年末より日本語が提供されました。
Stripeの利用にかかる手数料
先述のとおり、Stripe利用時は初期費用や月額料金などはかからず、基本的には決済手数料3.6%だけがかかる仕組みとなっています。
支払い方法やクレジットカード会社によって手数料が変動しないのが特徴であり、使い勝手の良いシステムだといえます。ただし、外国のカードから支払いを受ける場合や通貨を交換する必要がある場合は、決済手数料に1%+$0.30が上乗せされるので注意しましょう。
Stripeを始めるときの手順
Stripeを実際に始めるには、あらかじめ準備しておくものや登録方法などを確認しておきましょう。登録を行ってからのアクティベート作業についても解説します。
用意するもの
Stripeを利用するには、まず必要なものをあらかじめ準備しておくとスムーズです。おもに必要となるものは、次のとおりです。
- 企業の登記番号
- 責任者の本人確認書類
- 電話番号
- ビジネスの概要説明
- 銀行口座の情報
- 携帯電話(二段階認証のために必要)
- WebサイトのURL
アカウントの登録方法
必要な準備が整ったら、Stripeの公式サイトにアクセスして「今すぐ始める」をクリックします。メールアドレス、氏名、国籍、パスワードを入力すると仮登録が完了です。
届いたメールに記載されている確認ボタンをクリックしたら、認証が終わります。管理画面に入ることができるようになるので、必要な設定を進めましょう。
アカウントのアクティベート作業
アカウントの作成が済んだら、次は決済機能を利用するための手続きを行います。Stripeにサインインをし、「アカウントを有効化」または「開始」をクリックしましょう。
企業の情報と銀行口座情報を入力し、必要項目をすべて入力したかを確認します。
本人確認が済めばアクティベート作業は完了です。
支払いフォーム(商品登録)の設定
ダッシュボードから「商品」を選択し、画面右上に表示される「商品を追加」をクリックします。商品情報や販売価格、請求サイクルを入力します。
無料トライアル期間を設定するときは、「その他のオプション」から選択可能です。
商品の設定が完了したら、「支払いリンクを作成」を選んでリンクを作成します。
ダッシュボードの下部にある「支払いのリンク」に表示されているURLをWebサイトやメールなどに貼り付けることで、Stripeでの決済が可能となります。
Stripeに関するQ&A
Stripeを使うにあたって、いろいろと分からない部分も出てくるものです。ここでは、特に気になるポイントを解説します。
Stripeは安全に利用できる?
Stripeは「PCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard)」に準拠しています。
PCI DSSは、クレジットカード大手企業5社が共同設立した組織によって運営されている国際的なクレジットカード情報セキュリティ基準です。会員情報を保護することを目的に策定されているため、情報の収集や保存、処理などにおいて高いセキュリティ性を誇っているといえるでしょう。
Stripeを導入できない業種はある?
Stripeは幅広い業種での導入が可能ですが、なかには導入できない業種もあります。たとえば知的財産権に抵触する商品やサービス、危険物、ギャンブルなどは禁止業種に指定されています。
また、国によって規制の対象となる商品やサービスが異なるため、Stripeの導入を検討するときは、事前に禁止・制限されている業種に該当していないか必ずチェックしましょう。
対応しているクレジットカードの種類は?
Stripe決済で対応しているクレジットカードの国際ブランドは、Visa、Mastercard、American Express、JCB、Diners、Discoverです。分割払いの場合は追加手数料が必要になる点、JCB、Diners、Discoverは別途審査が必要になる点に注意しましょう。
まとめ:Stripeの特徴を知って上手に使いこなしてみよう
Stripeを利用することで、オンライン上での決済がスムーズに行えるようになります。インターネットを通じてやりとりを行う機会が多くなるにつれ、使いやすい決済手段を確保しておくことは重要です。
基本的な特徴や使うことで得られるメリット、気をつけるべき点などを踏まえてうまく活用してみましょう。Stripeを賢く使うことで、効率の良い取引を実現できるはずです。