ソーシャルギフトとは
ソーシャルギフトとは、SNSやメールアドレスなどインターネット上のサービスを通じてプレゼントを贈れるサービスのことです。本名や住所がわからなくても、相手に会えなくても贈り物ができるため、SNSで知り合って会ったことがないという人や、コロナ禍でなかなか会える機会がないという人にも手軽に贈り物ができるため便利です。
ソーシャルギフトの仕組み
ソーシャルギフトで相手の名前や住所を知らなくてもプレゼントを贈れるのは、贈り手と受け取り手の間をソーシャルギフトサービスが仲介し、個人情報はサービス提供者が管理するためです。そのため、ソーシャルギフトを贈る際には一般的に次のような手順を踏む必要があります。
- 贈り手がソーシャルギフトサービス上で、贈りたいプレゼントを購入する
- 決済後、発行される受け取り用のURLを受け取り手に送る
- 受け取り手が送られてきたURLから、必要な手続きを行う
ソーシャルギフトには、相手が直接店舗に行って受け取ったり、サービスを体験したりする「店舗受け取り型」と、商品を自宅まで届けてくれる「宅配受け取り型」の2種類があります。
また、近年増えてきているソーシャルギフトの形態のひとつに「eギフト」があります。これは、飲食店やコンビニで引き換えることができる電子チケットやキャッシュレス決済サービスで使える電子マネーなどをプレゼントするものです。100円程度のカジュアルなプレゼントも多く、気軽にサッと贈ることができることからソーシャルギフトと相性が良いサービスと言えます。
代表的なソーシャルギフト3種類
代表的なソーシャルギフトサービスとして、ここでは「giftee」「LINEギフト」「Amazonほしい物リスト」の3つをご紹介します。
giftee
ソーシャルギフトサービスの中でもかなり早くから登場していたgiftee。ソーシャルギフトの定番であるドリンク・フードはもちろん、ファッションやヘルスケア、キッチンや家事など家庭で喜ばれるものから、アウトドアやお出かけに使えるグッズや宿泊チケット、ものづくりやフライトなど体験チケットまで多岐にわたります。独自のメッセージカードを添えて贈れるので、贈り主の気持ちを伝えやすいのもポイントです。
LINEギフト
メッセージサービスとしてすっかり定着したLINEを使ってプレゼントを贈り合えるシステムです。LINE上で購入から受け取りURL送付まで済ませられるため、贈り手も受け取り手も別のサイトに登録し直す手間がないという大きなメリットがあります。贈れるギフトもeギフトから生活雑貨や家電まで幅広く、受け取り手に合わせたプレゼントを選べます。
Amazonほしい物リスト
大手ECモール「Amazon」が展開するソーシャルギフトサービスで、特に「Amazonほしい物リスト」は名前を知っている人も多いでしょう。他のソーシャルギフトサービスと異なる点は、あらかじめ受け取り手側が商品を「ほしい物リスト」に登録しておき、リストを公開することで、贈り手は好きなときに登録された商品から購入できるというところです。
Amazonほしい物リストは、受け取り手側が先に指定しているのがポイント。贈り手が選ぶのもプレゼントの醍醐味ですが、相手が欲しいプレゼントがわかりにくい、ほしい物リストを既に公開しているという相手なら、活用してみてはいかがでしょうか。
ソーシャルギフトのメリット・デメリット
ソーシャルギフトサービスのメリット・デメリットをご紹介します。
ソーシャルギフトのメリット
ソーシャルギフトのメリットとして、消費者と事業者側にそれぞれ以下のようなメリットが考えられます。
消費者側のメリット
- 住所や本名を知らなくても贈ることができる
- SNSとの親和性が高く、手軽
- コロナ禍でも非接触で贈り物ができる
- 自宅に郵送のほか、店舗で受け取ることもできる
- メッセージ、写真、動画などを添えられる
ソーシャルギフトの大きな特徴である「住所や本名を知らなくてもプレゼントを贈れる」というポイントは、SNSとの親和性が高く非接触で贈ることができるため、時代や時流にマッチしています。また、自宅郵送と店舗受け取りを受け取り手が選べたり、メッセージや写真、動画と一緒に受け取りURLを送信できるため、贈り手の気持ちを伝えやすいでしょう。
事業者側のメリット
- 販売経路を増やせる
- プロモーションの一環になる
- ブランディングになる
ソーシャルギフトは、事業者側にも販売経路を増やせる、プロモーションやブランディングの一環になるという大きなメリットがあります。例えば、イベント参加のお礼をeギフトで送付したり、サンプルやノベルティを電子ギフト券として配布したりする方法があります。
ソーシャルギフトのデメリット
一方で、ソーシャルギフトにはデメリットもあります。これも消費者と事業者それぞれに分けてみていきましょう。
消費者側のデメリット
- 高齢者など、インターネットに慣れていない場合は受け取れないこともある
- ギフトコードだけの送付をそっけないと思う人もいる
- ネット上の買い物なので、質感や色味、サイズなどがわかりにくい
ソーシャルギフトの大きなデメリットとして、受け取り手側の手続きが必要なことから、インターネットに不慣れな人は受け取りにくいという点があります。また、アパレル系のプレゼントなどの場合、どうしても店頭で吟味する場合と比べて質感や色味、サイズなどが思っていたものと違ってしまうことも考えられます。
事業者側のデメリット
- ソーシャルギフトプラットフォームを利用する場合、システム連携できない可能性
- 受け取り手続きがされなかった場合、注文キャンセルから返金となってしまう
事業者側のデメリットとしては、既存のECサイトの他にソーシャルギフトプラットフォームを使う場合、システム連携できないことも考えられます。すると、単純に管理するEC店舗がひとつ増えてしまい、管理コストやリソースが増えてしまいます。また、受け取り手が受け取り手続きを忘れて日数が経ってしまうと自動的に注文キャンセル、返金となってしまうケースもあり、在庫管理が煩雑になりがちです。
ソーシャルギフトをECサイトで扱うには
最後に、ソーシャルギフトをECサイトで扱う方法について、市場の現状とともに解説します。
ソーシャルギフト市場の現状
新型コロナウイルス感染症の流行に伴うデジタル化、DX化の流れにより、ソーシャルギフト市場は急速に拡大しています。矢野経済研究所の調査によれば、eギフト市場だけでも2014年度から2018年度の4年間で約82億円から約1,167億円へと、約14倍もの急成長を遂げており、2023年には約9,687億円にまで拡大すると予測されています。
出典:PR TIMES「4年で約14倍の市場規模に成長しているソーシャルギフト市場 ソーシャルギフトを活用した、企業の新しい取り組み」
オンラインカタログギフトとして急成長した「Gift Pad」では、2021年に前年比で売上が約2倍に成長したとして、4億円もの資金調達を実施したと言います。これはすなわち、今後も事業拡大に投資していくだけの市場規模が見込めるということに他なりません。
ソーシャルギフトプラットフォームを利用する
EC事業にソーシャルギフトを取り入れる手法として、手っ取り早いのが既存のソーシャルギフトプラットフォームを活用する方法です。まずは、gifteeの「eGift System」や「LINEギフト」を活用して自社の商品・サービスをソーシャルギフト化する手法があります。
eGift System
店頭で引き換えられるデジタルギフトチケットを生成したり、ギフトチケットを自社ECサイト上で販売したりできる。
LINEギフト
Yahoo!ショッピングと連携した出店依頼が可能。個人事業主や中小企業も出店しやすくなった。
TECLINK
プロモーションの一環として利用できるソーシャルギフトプラットフォームを提供している。
ソーシャルギフトプラットフォームを活用し、EC事業にプラスしよう
DX化やニューノーマルの動きが高まる昨今、手軽かつ安心・安全にプレゼントを贈れるソーシャルギフトは今後も市場を拡大していくことが予測されています。ソーシャルギフトプラットフォームを使えば、EC事業にソーシャルギフトを組み込むことも簡単です。商品やサービスの新たな販売経路として、プロモーションの一環として、ソーシャルギフトを取り入れてみてはいかがでしょうか。