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国交省発表による2020年の宅配個数と10年間の推移 再配達が課題


 近年、物流業界で注目を集めている「ラストワンマイル」という言葉ですが、どういう意味なのか今さら聞けないという人も多いのではないでしょうか。また、物流業界で大きく盛り上がったことを皮切りに、営業分野でもラストワンマイルという言葉が使われるケースも出てきました。そこで、今回はラストワンマイルという言葉の意味や問題点、解決策について詳しく解説します。

国土交通省発表による2020年の宅配個数は48億個超、前年比12%増

 2020(令和2)年度の宅配便取扱実績を国交省が発表した。2021(令和3)年8月6日に発表された調査資料によると、宅配便取扱個数は48億3,647万個で、前年の5億1,298万個より11.9%の増加となった。これは、トラック運送と航空等利用運送の合計だ。

  宅配便業界では、ヤマト運輸と佐川急便、日本郵便の大手3社が上位を占めている。その構造は実績に如実に表れており、トラック運送では上位3便で94.8%、福山通運と西濃運輸を含めた上位5便では、99.8%にまで上昇する。

  トラック運送における上位3便の内訳を見てみよう。1位は「宅急便」のヤマト運輸で、約21億個。2位は「飛脚宅配便」の佐川急便で、約13億5千個。3位は「ゆうパック」の日本郵便で、約11億個と続く。

  4位の「フクツー宅配便」は福山運輸を中心として、ほかに21社が同名のサービスを展開している。宅配便取扱個数は約1億4千万個。5位の「カンガルー便」も4位同様、西濃運輸を核とし、ほか19社によって提供されている。宅配便取扱個数は約1億1,000万個となっている。

  前年比を見ると、上位3便はすべて100%超えで平均約111.9%と軒並み業績を伸ばしている一方で、それ以外の便は100%を切り平均97.0%で微減というところだろう。上位5便の前年比と今年度の構成比はそれぞれ次のとおりだ。

令和2年度 宅配便(トラック)取扱個数(国土交通省調べ)
「令和2年度 宅配便(トラック)取扱個数(国土交通省調べ)」より引用

  次に、航空等利用運送を見てみよう。航空運送の年間実績は51,525個とトラック運送に比べると規模はまだまだ小さい。しかし、前年比は156.8%と大きな伸びを示している。

  トラック運送での上位5社の順位は、航空運送になると入れ替わる。1位は「飛脚航空便」の佐川急便で10,232個。2位は「宅急便」のヤマト運輸で7,146個。3位は「フクツー航空便」の福山運輸で433個。4位は「スーパーペリカン便」の日本運輸で217個という結果だ。なお日本郵便は、航空運送の宅配便がすべてトラック運送のほうに含まれている。

 これら4便が全体に占める割合は約35.0%で、佐川急便とヤマト運輸の大手2社がそれぞれ19.9%および13.9%とシェアが大きいといえるだろう。トラック運送とは異なり、合計122便という同業の多さが今後どのような影響を与えるのか注目されるところだ。

宅配便取扱個数この10年間の推移

 この10年間、宅配便取扱個数は順調に伸びている。

  トラック運送と航空運送の合計で、2016(平成28)年は40億1,900万個、2017(平成29)年は42億5,100万個、2018(平成30)年は43億700万個、2019(令和元)年は43億2,300万個、そして2020(令和2)年の48億3,647万個へと推移している。

  前年比で見ると、2016年は107.3%、2017年は105.8%、2018年は101.3%、2019年は100.4%、そして2020年は111.9%と、この5年間は100%を割っていない。トラック運送の前年比は全体同様で、その理由は宅配便取扱個数全体の98.9%を占めているからだといえる。

  航空運送はその残り、つまり全体の1.1%しかないため、よほど大きく動かない限り全体に影響しない。2016年から5年間で4,100万個、4,000万個、4,600万個、3,300万個、5,200万個と推移、大きく落ち込んだのは2019年だ。その理由のひとつに、熊本や千葉などの地震、台風19号など自然災害などの影響が考えられる。

  さらに5年遡って2011年までとなっても、右肩上がりに変わりはない。2010(平成22)年は32億1,983万個、2011(平成23)年は34億96万個、2012(平成24)年は35億2,600万個、2013(平成25)年は36億3,700万個、2014(平成26)年は36億1,400万個、2015(平成27)年は37億4,500万個となっている。

  前年比で見ると、2011年からは105.6%、103.7%、103.1%、99.4%、103.6%、そして2016年の107.3%と続いている。表に表すと次のようになる。

年度 宅配便合計
2011年 3,401(105.6)
2012年 3,526(103.7)
2013年 3,637(103.1)
2014年 3,614 (99.4)
2015年 3,745 (103.6)
2016年 4,019 (107.3)
2017年 4,251 (105.8)
2018年 4,307 (101.3)
2019年 4,323 (100.4)
2020年 4,836 (111.9)
(単位:百万個、%)
国土交通省調べ「宅配便等取扱個数の推移」をもとに作成(括弧内は対前年度比)

  昭和60年からの推移は次のグラフのとおりだ。

宅配便取扱個数の推移
「令和2年度 宅配便(トラック)取扱個数(国土交通省調べ)」より引用

宅配個数増加に伴い浮き彫りになる再配達という課題

 何度か前年比マイナスに転じることはあっても、宅配便取扱個数は増加の一途をたどっている。特に2020年はコロナ禍の影響もあって急速な伸びを示していることがわかる。そこで問題になってくるのが再配達だ。

 国交省の「宅配の再配達の削減に向けた受取方法の多様化の促進等に関する検討会 報告書」によると、配達の約2割が再配達されるという結果になっている。

 再配達には当然ながらコストがかかる。送料無料の商品を購入したとしても、実質送料は含まれている上、再配達となればコストが上乗せされるのだ。この2割の再配達にかかる時間は1年間で約1.8億時間、労力は年間約9万人のドライバーの労働力に相当するという。

  トラックから排出される二酸化炭素の量は年間で約42万トンと推計され、地球温暖化の観点からも再配達の削減が求められている。以前から課題とされているトラックドライバーの人手不足を深刻化させるという側面も見過ごせない。

  その発表があった2015年10月から5年半後、2021(令和3)年4月に発表された再配達率は11.2%と大きく削減されたが、さらなる削減が求められている。

  そこで、利用したいのが配送日や時間の指定、運送会社のアプリや置き配、コンビニ受け取り、宅配ボックスなどの代替手段だ。

  日中不在にすることがあらかじめわかっている場合には、日時を指定することで再配達を回避できる。運送会社のアプリやウェブサービスでは荷物のトラッキング(追跡)ができ、荷物がどこまで来ているか、いつ頃配達されるか予測可能だ。

  コンビニ受け取りなど、自分以外の誰かに受け取ってもらうという方法もあり、駅や自宅の宅配ボックスに配達してもらうことも可能。近年では、再配達を避けるための置き配が浸透しつつあるともいえる。

  コロナ禍により、ネットショッピングは食料品や日用品を購入する日常的な手段となりつつある。宅配便取扱個数の実績やその推移を見ると、今後も増加傾向を維持することに疑問の余地はない。

  国交省の宅配便取扱個数の発表を単なる調査結果とだけ受け止めず、再配達削減方法を考えるきっかけとしたいところだ。

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