IPAは、経済産業省所管のIT政策実施機関として2004年に設立された「独立行政法人情報処理推進機構」の略称である。英語では「Information-technology Promotion Agency, Japan」と記載される。
IPAの主な役割と活動分野
IPAは、日本における安全で信頼性の高いIT社会の実現を目的とし、次の3分野を軸に活動を行う機関となっている。
情報セキュリティ対策の推進
- サイバー攻撃の脅威や脆弱性に関する情報の収集・分析・公開と、企業・個人に対する注意喚起・対策方法の周知
- 情報セキュリティに関するガイドラインやベストプラクティスの策定による、組織の情報セキュリティレベル向上支援
- 相談窓口の設置・運営や具体的なセキュリティ対策ツールの提供
デジタル人材の育成と活用
- 情報処理技術者試験(ITパスポート、基本情報技術者、応用情報技術者など)の実施による標準的なITスキル向上とデジタル人材育成の推進
- DX(デジタルトランスフォーメーション)推進を担う人材の育成支援や、企業におけるIT活用能力アップへの貢献
デジタル社会の動向調査・分析・基盤構築
- 国内外のIT技術動向やデジタル社会の課題の調査・分析、政策提言や社会基盤整備の推進
- オープンデータやAI(人工知能)などの新技術に関する研究開発支援
ECサイト運営におけるIPAの重要性
特にECサイトを運営する中小事業者にとって、IPAは情報セキュリティ対策の重要な情報源であり、支援機関であるといえる。
近年、ECサイトはサイバー攻撃の標的となりやすくなっており、企業・ブランドやEC担当者には信頼失墜や多大な経済的損失を防ぐための対策が求められている。IPAは情報漏洩・不正アクセスなどのリスクからECサイトを守るため、次のようなガイドラインの提供や啓発活動を行っている。
「ECサイト構築・運用セキュリティガイドライン」の公開
「ECサイト構築・運用セキュリティガイドライン」は、IPAが、ECサイトを運営する中小事業者向けに2023年に公開したガイドライン。ECサイトにおけるサイバー攻撃の種類や被害事例、自社サイトのセキュリティ診断方法、脆弱性・不正ログイン・決済セキュリティ・個人情報保護などに対する具体的な対策方法が解説されている。
中小企業へのIT活用支援
IPAは、情報セキュリティに限らず、中小企業のIT導入や活用に関する支援も実施しており、EC事業の成長・DX推進をする上で役立つ情報やツールを提供している。
IPAが発信する情報は、ECサイトのサイバーセキュリティ強化、安全なオンライン取引環境を構築するために不可欠なものといえる。EC担当者は、IPAのウェブサイトや公開資料を定期的に確認し、最新のセキュリティ動向や脅威に対する対策方法を自社のEC運営に反映させることで、セキュリティレベルのアップが可能となる。
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