楽天グループと日本郵便の合弁会社であるJP楽天ロジスティクスは、長野県白馬村を含む11の企業・団体・自治体が参画する白馬村山岳ドローン物流実用化協議会が、山岳エリアで抱える物資輸送の課題解決を目指し、2021年8月から9月までの約2カ月にわたり長野県白馬村の山岳エリアで行った、ドローンを活用した物資配送の実証実験に参加し、配送ソリューションを提供したことを発表。
実証実験の概要
- 実施期間: 2021年8月から9月までの約2カ月間
- 配送ルート: 「猿倉荘」(標高1250m)から離陸し、白馬岳頂上宿舎(標高2730m)および「白馬山荘」(標高2832m)に配送
- 飛行距離: 往復約10km、高低差約1600mの配送
- 配送物資: 生鮮食品、飲料、医療物資他(最大7kg)
- 運営主体: 白馬村山岳ドローン物流実用化協議会
- ソリューション提供: JP楽天ロジスティクス
- 実行: 地元事業者
本実証実験では、長野県白馬村の白馬岳の登山口にある宿舎から山頂にある宿舎までの往復約10km、高低差約1,600mを配送ルートとして、ドローンの往復飛行による物資配送の検証を行った。具体的には、ドローン配送におけるパイロット任務や運航管理を担う地元事業者の育成・支援を通じて、地元事業者を主体とした配送オペレーションの運用体制を確立。また、2020年に白馬村で行った実証実験では7人の補助員を配置し10人以上で運用していたところ、今回は補助員を配置せず、2人体制の運用でドローン配送に成功し、運用体制の省人化を推進したことで、大幅なコスト削減を実現した。
さらに、新機体を用いることで機体性能の向上を図り、最大7kgの物資の配送に成功したほか、航空法に基づく許可承認のもと、安全性が高くエネルギー効率の良い、高度1m以下からの物件投下による配送を行い、昨年の実証実験では実施できなかった往復飛行での配送を実現。なお、補助者を配置しない目視外飛行での物件投下による往復配送の実現は、本実証実験が国内で初の事例となる。
JP楽天ロジスティクスは今後も、新たな物流プラットフォームの構築を図るとともに、ドローン配送を山小屋への新たな配送ソリューションとして提供していくなど、ドローンやUGVの活用に取り組んでいく考え。