クロス・マーケティングは、 新型コロナウイルスが消費者の行動や意識に与える影響の把握を目的として、 全国47都道府県に在住する20~69歳の男女2,500人を対象に「新型コロナウイルス生活影響度調査」を第1回(2020年3月12日~13日)から定期的に実施。 2021年7月の第21回は、 東京オリンピックが開幕から1週間たち、 全国の新規感染者数が初めて1万人を超え過去最多数を更新し続けていた7月30日~8月1日に調査を行い、 人々の意識・行動について分析した。
新型コロナウイルスに対する不安・ストレス度
定点指標の「直近1週間の不安度」は7p増の42%、 「将来に対する不安度」は5p増の53%、 「直近1週間のストレス度」は、 2p増の44%といずれも先月より増加に転じた。 <図1>項目別の不安度も、 ほぼ全項目において増加した。 「重症患者増加による病床逼迫」は6p増と他の要素より不安度の高まりが目立つ。 <図2>この1年間の傾向をみると、 各地で感染者数が過去最多を更新し続ける一方で、 不安度・ストレス度は大きな上昇となっていない。 高齢者へのワクチン接種率の高まりやオリンピック開催中であること、 そしてコロナ慣れが響いているとうかがえる。
コロナ禍による食生活行動の変化
普段実施している行動を聴取し、 コロナ禍前(2020年1月以前)との増減を確認した。 コロナ禍により増えた行動は、 “食材やお店の選び方”では「ストックできる食材を選ぶ」「応援したい店・販売者の食材を購入」「オンラインで食品を購入」。 かたや、 “食事の仕方”では、 「オンラインでの飲み会やランチに参加」「家族や友人と食べていてもシェアをしない」「料理のレパートリーを増やす」がコロナ禍をきっかけに増えている。 <図3>コロナ禍を起点として“食事に対してより意識するようになったもの”は、 「食費の節約」「栄養バランスの取れた食事」「免疫力のつく食事」。 女性に限ってみると、 先述の3項目に加え「自宅で料理をする際の負担軽減」「調理の時短」「美味しい食事によるストレス解消」「規則正しい食生活」が上位。 <図4>
コロナ禍で購入した調理家電・よかった食生活行動
“コロナ禍の生活中に購入した調理家電” は、 「電子レンジ・オーブンレンジ」「炊飯器」「オーブントースター・トースター」「ジャーポット・電気ケトル」など、 日常的に使う家電があがった。 購入理由は「壊れた・買い替えが必要」「機能性・性能のよいものが欲しい」「料理をラクにしたい」「家でも美味しい食事をしたい」の声が多い。 <図5> “コロナ禍の食生活でやってみてよかったこと”を自由回答で聞いたところ、 「まとめ買いをすることにより食費の節約につながった」「冷凍・レトルト食品をストックし活用している」「料理のレパートリーが増えた」「免疫力アップのための食事で体調がよくなった」などの声が寄せられた。 <図6>
ワクチン接種による外食・会食への意識
ワクチン接種の有無と外食に対する抵抗感について聴取した。 複数人の会食は「ワクチンを接種しても抵抗感がある」が66%となり、 ワクチン接種を終えても会食への懸念は強い。 特に女性40~60代では「抵抗感がある」は7割を超える。 一方、 1人での外食は 「ワクチンを接種しても抵抗感がある」50%、 「ワクチン接種に関係なく抵抗感はない」22%であった。 男性において1人での外食は、 「ワクチン接種に関係なく抵抗感はない」25%、 「ワクチンを接種したら抵抗感はない」21%と高く、 抵抗感はやや低い。 <図7>