アスクルは、独自のデータプラットフォーム「アスクル・シミュレータ」を構築し、業務実用化に向けた取り組みを進めている旨を発表。サプライチェーン全体の課題解決と最適化を図り、事業所向け(BtoB)サービスにおける非在庫品から在庫品への切り替えによる売上改善予測モデルなどの運用を開始している。
アスクルでは、DX強化に向けたデジタル設計の基本コンセプトとして、データ・エコシステム「ASKUL EARTH」を掲げている。「データレイク(湖)」「モデル(土地)」「可視化・シミュレーション(森林)」の3層からなる各モデルは、それぞれ最適化の指標が異なるため、最上層に位置する「アスクル・シミュレータ」を用いて、複数の予測モデルを連携。全体最適化を実現する。
同社は、「アスクル・シミュレータ」で運用開始した予測モデルとして、BtoBサービスにおける非在庫商品から在庫品への切り替えによる売上改善予測モデルを紹介している。過去に在庫化した商品の実績値を使い、在庫化前後の出荷数量の変化を予測するモデルを構築。予測結果に基づき在庫化した商品データを蓄積し、再学習を繰り返すことで予測モデルの性能を向上させている。
同社は今後、「アスクル・シミュレータ」へ新たな予測モデルを順次追加しながら同システムの活用を進め、倉庫設備や人、商品などフィジカル空間の情報をIoT活用でサイバー空間に再現する「物流デジタルツイン」の実現、およびサプライチェーン全体の最適化を目指す。