Facebook社はアメリカ時間の6月22日、コマース領域におけるさらなる取り組みとして、ショップ機能や広告ソリューションの拡充、より充実した購買体験を実現するためのテクノロジーへの投資について発表した。
同社は2020年、新型コロナウイルス感染症の影響で事業をオンライン化するビジネスを支援すべく、FacebookやInstagramにショップ機能を導入。導入から1年強で月間アクティブショップ数は120万、毎月ショップを訪れる利用者の数は3億を超えている。同社は、同機能へさらなる投資を行うと共に、2022年6月までFacebookとInstagramのチェックアウト(決済)機能を利用する出品者への手数料免除を決定。そのほかに、次の取り組みを発表している。
広告による購買体験のパーソナライズ
Facebook社は、利用者のショッピングの好みに応じてパーソナライズされた広告体験を提供するショップ広告を導入する。利用者の普段の購買行動に基づき、もっとも商品を購入しそうな場所に送客する広告をアメリカでテスト。将来的には、特定の顧客に特別なオファーやプロモーションを提供することで、ビジネスがショップ広告をさらにパーソナライズできる方法を検討している。
未来の購買体験を実現する新たなテクノロジー活用
ARやAIなどのイマーシブテクノロジー(没入型技術)に投資する同社は、InstagramにAIを活用した新たなビジュアル検索ツールとAR体験を導入。購入前の商品体験・イメージを容易にする。すでにアメリカではAIを活用した新たなビジュアル検索機能のテストを実施し、将来的には利用者がカメラで撮影した画像からもビジュアル検索を利用できるようにする予定。
なお、ARを活用した試着体験については、ModifaceやPerfect Corp.と共同でビューティ業界のパートナー向けAPIを試験的に導入。LancomeやLaura Mercier、Armaniなど330のビューティブランドが、Instagram上のショップですでにAR体験を提供、今後はインテリアなどの業界への展開も検討する。加えて、既存の広告プロダクトへのAR統合、ARへのカタログ取り込みにも取り組む予定。
こうした取り組みに加え、Facebook社は一部の国でショップ機能をWhatsAppとMarketplaceにも拡大。利用者がより簡単に、ビジネスのショップにアクセスし、商品を発見できるようにする。また、今後数ヵ月以内にInstagramのチェックアウト(決済)機能に対応する商品に対し、レビューや評価の投稿ができる機能を追加する予定。
同社は事業者のオンライン化を支援し、利用者により充実した購買体験を提供するため、コマース領域の機能拡充に今後も注力していく方針。