独立系ITコンサルティング・調査会社であるアイ・ティ・アール(以下、ITR)は、国内のメール誤送信防止市場規模推移および予測を発表した。
メール誤送信防止市場の2019年度の売上金額は37億8,000万円、前年度比18.5%増に。企業のクラウドシフトが加速し、クラウドメールへの移行にともなう新規案件の増加で好調に推移した。国内では、メール誤送信防止対策として、添付ファイルを自動的にZip暗号化して送信後、別メールでパスワードを送信するPPAP(Pre send Password file After send Password)方式が一般化している。しかし、PPAP方式では添付ファイルが暗号化されているために中身をウイルスチェックできない、同じ経路で暗号化ファイルとパスワードを送信した際の盗聴の危険性など、セキュリティ上の問題が指摘されているという。
そのようななか、内閣府と内閣官房において2020年11月からPPAPを廃止することが発表された。これを受けて、添付ファイルのZip暗号化機能に加えて、添付ファイルのウェブダウンロード機能を搭載したソリューションに対するニーズが高まっており、2020年度の売上金額は41億6000万円と、同10.1%増を予測している。
現在、添付ファイルのウェブダウンロード機能を新機能として追加したソリューションが増えており、PPAP問題やコロナ禍によるテレワーク環境下でのセキュリティ対策としてより重要度が増していることから、CAGR(2019~2024年度)は6.9%を予測している。