adjust(本社:独・ベルリン)は、新型コロナウイルス感染症によるモバイルアプリへの影響に関する最新データを発表。
新型コロナウイルスの流行が新たなフェーズに入り、活動の自粛が緩和され始めたことで消費者の行動にも変化が表れ始めている。中でもEコマースとオンラインショッピングは著しく変化。モバイルアプリ計測プラットフォームのAdjustは、消費者がコロナ以前の購買行動に戻りつつある中、企業はユーザー獲得のための広告費の凍結を解除し始めていると分析している。
各地で実施されたロックダウン直後、多くのEコマースアプリにおけるユーザー獲得を目的とした広告費が削減され、その後、3月後半に、アプリのインストール数とセッション数が大幅に減少した。しかし、Adjustの調査によると、4月の上旬にはEコマースアプリは回復し始め、インストール数とアプリ内セッション数が共に増加に転じました。これはユーザー獲得のための広告費投入が再開されたことの表れとしている。
アプリ業界はコロナ禍にもおおむね堅調で、ユーザーはいつも以上にアプリを活用していたが、一方でEコマースアプリのパフォーマンスは低調だった。最近発表されたAdjustのApp Trends 2020レポートによれば、企業の広告費削減によりEコマースアプリのインストール数が2020年3月に毎週12%下降し、3月から4月にかけての有料インストール数は35%下がったことが報告されている。
しかしAdjustの最新のデータでは、主な指標はいずれも新型コロナウイルス感染拡大前の水準近くまで改善してきていることがわかった。今後の経済活動の再開が進むにつれて、デジタル広告費の支出額も全体的に回復すると予想される。
企業は、ユーザーのリエンゲージメントに焦点を当て、注力し始めている。3月の最終週と4月の最終週を比較すると、自分のお気に入りのEコマースアプリを訪れたユーザーは43%増加したが、これは有料キャンペーンの効果と、消費者の購買意欲がようやく高まってきたことの結果としている。
Adjust 共同創設者 兼 CTO ポール・H・ミュラー氏は次のようにコメントしている。
「新型コロナウイルスの影響により3月から始まったロックダウンの初めの数週間で、Eコマース業界は少し身構えてしまい、マーケティング担当者は広告費を手控えました。しかし4月には一気に回復しました。企業も消費者もコロナと共に生活する状況を受け入れ、より落ち着いた消費行動に戻るでしょう。現在、リエンゲージメントとリターゲティングが強く推し進められており、消費者をまたアプリに呼び戻そうとしているのです」