パフォーマンスマーケティングのテクノロジー企業であるCriteo S.A.は、2月1日にCriteo日本支社で行われたメディアラウンドテーブルにて、「2017年デジタルコマース&マーケティングの展望」を発表した。
Criteoにおける2017年のデジタルコマースにおける見解を述べたもので、詳細は下記の通り。
1.消費者は高価商品の購入においてもモバイルデバイスを使用する
<Key Facts>
・デスクトップは、かつては高価商品の購入チャネルとして圧倒的な存在感を示していたが、2017年においては、消費者は高価商品でもスマートフォンで快適に購入していると予想される。
・モバイルアプリ経由の平均注文額(AOV:Average Order Value)は、2016年第2四半期にデスクトップよりも27%高い数字となった。モバイルブラウザ上の平均注文額は同期間でデスクトップよりも9%だけ低い数字となった。
<小売業者への示唆>
すべての購買取り引きにおいて、完璧なモバイル決済ができるようにするべきである。モバイル経由のAOVをさらに上昇させるため、モバイル決済プロセスにおいて、消費者のセキュリティと利便性に焦点を当てる必要がある。誰でもわかりやすいデバイスナビゲーションや、決済プロセスの簡略化によって、小売業者は消費者にモバイルデバイスでの高額なショッピングジャー二―を促すことができると予測される。
<参考データ:チャネル別 モバイルウェブ/アプリ経由の平均注文額(AOV)>
かつて高額商品の購入といえば、デスクトップからが常識だったが、いまや平均注文額は、アプリがモバイルブラウザ、デスクトップの両者を大きく上回っている。
2.商品リスト広告が顧客獲得の重要なチャネルとして浮上
・2017年、小売業者はGoogleショッピング(製品リスティング広告又はPLAsとして一般的に知られている)により多く投資し、顧客の発見とコンバージョンの向上のため、サーチの可能性を広げると予測される。
・有料検索の競争が激しく、広告主がセグメンテーションと帰属によって洗練されたものになるにつれて、投資価値の高いチャネルは結果に対してより責任を負わなくてはいけない。
<マーケターへの示唆>
小売業者は例えば発見フレーズで第一にユーザーに伝えるPLAsのようなサーチチャネルや、顧客獲得の背景にあるデータプット技術に投資すべきである。
3.動画広告はプログラマティック技術のポテンシャルを最大限に活用することで、マーケティングROIの最大化に寄与する。
<Key Facts>
・動画広告を含むメディア広告在庫の多くは、すでにプログラマティックに取り引きされている。
・2017年には、広告主-メディア間における動画広告の購買取り引きだけでなく、広告の作成や、配信の最適化についてもプログラマティック広告が使用され、自動化される。
・個々のユーザーに合わせて「動的」に生成された動画広告のバリエーションを使用することで、マーケティング担当者は、個々のユーザーにリアルタイムにカスタマイズされたキャンペーン施策を実行できるようになり、マーケティングROIはさらに向上する見込み。
<小売業者への示唆>
プログラマティック取り引きにおいては、動画広告内でのメッセージやアニメーションを、数千種類におよぶ組み合わせから、個々のユーザーに合わせてリアルタイムに生成することができる。これにより、広告主は動画広告においても、高度に個人最適化されたユーザーエクスペリエンスを提供できる。
4.製造業では、トレード・マーケティング取り引きにおいて、より高い水準の透明性を求める。
<Key Facts>
・2017年、製造業者は、小売業者と費やす大量の予算に対して、正確かつ偏りのないマーケティングROI測定を求めるようになる。
・プラットフォームやメディアを通じて個々の消費者を識別可能になるにつれて、製造業者の販売予算とマーケティング予算は収束していくだろう。ブランディングとパフォーマンスの両軸の目標に合わせて投下予算が再調整されるについて、消費競争も熾烈になる。
<小売業者への示唆>
・製造業者は、かつてない規模で売り上げを向上させているプログラマティックな広告取り引きへの広告予算投下を推進すると予測される。
・小売業者は、製造業者のトレード・マーケティング予算を勝ち取るために、製造業者のROIを正確に測定する技術が必要不可欠になってくる。
<参考データ:米国マーケターがECビジネスを確立するうえで最大の課題と感じる事柄>