App Annie(アップアニー)は、小売業界のアプリ(以下、小売アプリ)に関する調査レポートを発表した。
ますます利用が増える小売アプリ
調査したすべての国において、「実店舗・オンライン併用型」と「オンラインファースト(ウェブかアプリでサービスを開始した企業)」の両方の小売アプリにおける利用時間が、過去12カ月で増加していた。さらにその傾向は米国、韓国、日本で特に高かった。
日本と韓国では高齢化が進み人口増加率が低いことから、小売業者は既存顧客のエンゲージメントとリテンションに重点投資する傾向が強くなっている。こうした背景から積極的な割引とポイント還元が広く行われており、顧客からの積極的な参加を必要とするロイヤルティプラン(楽天市場のスーパーポイントアッププログラムなど)が、一定の成功を収めている。また韓国の場合、市場における普及率が高いことも手伝って、他国より高い伸びを示したと考えられる。
米国では、人口の多さとモバイル普及率の高さが成長を後押ししているようだ。しかし、過去12カ月間に「実店舗・オンライン併用型」(55%増)と「オンラインファースト」(60%増)の両方のアプリで利用時間が急増したことは、小売業者がモバイルアプリを活用して成果を上げていることを示している。
オンラインファーストのアプリが優勢
調査したすべての国において、「オンラインファースト」の小売アプリの上位は、ユーザーあたりセッション数と、その伸び率の両方で「実店舗・オンライン併用型」アプリの上位を上回った。また、アジア圏において比較してみると、中国と韓国はオンラインファーストのアプリが多数を占めるが、日本では「実店舗・オンライン併用型」も依然として堅調な伸びを見せている。
アジア圏で見てみると、中国と韓国では「オンラインファースト」アプリがユーザー数ランキングを独占する一方、日本ではAmazonが首位ではあるものの「実店舗・オンライン併用型」が依然としてユーザーを維持しており、特異な市場を形成していることがわかった。