矢野経済研究所では、ECサイト向け決済サービス提供事業者を対象に調査を行った。この調査における「EC決済サービス」とは、ECサイト運営事業者と決済サービス提供事業者との間に入り、ECサイト運営事業者において発生する決済業務を代行するサービスを指す。
インターネットショッピングの浸透やスマートフォンの普及によるEC市場の伸長に加え、今まで現金決済が主流であった公共料金や家賃、教育費などで決済サービスの利用が増加していることから、2014年度のEC決済サービス市場規模(ECサイト向けの決済サービス提供事業者取扱高ベース)は、前年度比12.2%増の8兆3138億円と堅調に拡大している。
EC決済サービス市場では、FinTech系のスタートアップの市場参入により、従来よりも手数料率が低い決済サービスや、携帯電話番号やメールアドレスを活用して決済を可能とする後払いサービスなど、さまざまな新サービスが誕生し、決済サービスの多様化が進んでいる。
オムニチャネルの進展や越境ECの拡大などでEC市場が引き続き伸長することを背景に、現金決済の比率が高い領域における決済サービス利用率の上昇や新決済サービスの台頭により、2020年度のEC決済サービス市場(ECサイト向けの決済サービス提供事業者取扱高ベース)は15兆6288億円まで拡大すると予測している。
【調査概要】
矢野経済研究所では、次の調査要綱にて国内のEC決済サービス市場の調査を実施した。
1. 調査期間:2015年11月~2016年1月
2. 調査対象:ECサイト向けの決済サービス提供事業者(PSP:ペイメントサービスプロバイダー、モバイル・キャリアビリング・アグリゲーター等を含む)
3. 調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリング、ならびに文献調査併用