株式会社10Xは、2025年5月20日に新サービスの発表会を開催。主力のネットスーパー立ち上げ・運営特化型プラットフォーム「Stailer(ステイラー)」を、AIを活用し小売現場のDX全般を支えるマルチプロダクト(複数製品群)へと進化させる新戦略を発表した。

10Xは、2020年よりStailerの提供を開始。現在、全国のスーパー・ドラッグストアチェーンを展開する13社が導入・活用している。導入企業の流通総額は年数百億円規模、成長率は平均+56.7%と、市場全体の成長率が+10.5%であることと比較すると、大きな成果を記録している。
同社は、導入企業複数社と会話をする中で「仕入原価の高騰」「慢性的な人手不足」「労働生産性の向上」といった課題を耳にし、店舗運営全体の業務フローをデジタルを前提に再設計する重要性を感じたことから今回、Stailerの領域を「小売DXをまるごと支えるプラットフォーム」へ進化させることを決断。新たに「粗利創出」「業務改善」「データ運用」といった経営課題に対応した次のプロダクト(既存プロダクト含む)を2026年春までに順次展開していくという。
- Stailer ネットスーパー
- Stailer OMNI(2026年冬予定)
- Stailer AIプライシング(2025年冬予定)
- Stailer MD(2025年冬予定)
- Stailer AI発注(2025年7月)
- Stailer データストア
第一弾としてリリースされるのは「Stailer AI発注」で、2025年7月からの提供を予定。同サービスは属人化する発注業務や手作業による負荷を解消するSaaSで、売上・天候・販促情報などの複数データを基に、AIが自動で最適な発注内容を提案するものとなっている。
Stailer AI発注は、1店舗あたり数万円〜と中小規模のスーパーマーケット事業者でも導入がしやすい価格設計とし、モバイルアプリ型で業務時間削減につながる次のような機能を提供しているとのこと。なお、今後展開する各プロダクトの共通の基盤として「Stailer ID」および「Stailer データストア」を活用し、各領域で円滑なデータの利活用を実現する方針も併せて掲げている。

Stailer AI発注は、長野県を中心に60店舗以上のスーパーマーケットを展開する株式会社デリシアが導入パートナーとして参画。同社は今後、Stailer AI発注を活用し、発注の属人性解消と若手スタッフへのスムーズな引き継ぎを進めるとともに、業務の再設計と生産性向上を両立させるモデルケースの構築を目指すとしている。
