ファーストリテイリンググループは、グローバルでの競争力と成長力を強化するため、2025年3月に日本の報酬を改定する旨を発表した。
これは、世界水準で活躍できる人材を確保し、能力や実績に応じた適切な報酬を提供することを目的としたもの。同社は2023年にも同様の改定を実施し、全従業員の報酬水準を4%〜40%引き上げているが、グローバル水準を目指す働き方をさらに追求し、さらなる企業成長を目指すため、今回新たな報酬制度を導入する。これに加えて、経験や社歴にかかわらず、グローバル水準で働く人材を経営層や要職に積極的に抜擢し、それに相応した報酬と適正評価を実施することで、人材育成の支援をおこなうという。
新報酬制度では、本部や営業の正社員年収は最大11%上昇する見通しで、個々の抜擢や要職への登用によっては、最大54%の昇給も可能となる。昇給は一律ではなく、能力や意欲、実績を総合的に評価して決定されるとのこと。
なお、同社は新人の初任給(現行30万円)についても改定を予定しており、33万円へ引き上げ、年収に換算すると500万円超(約10%増)となる見込み。新人店長の月収(現行39万円)も41万円に引き上げ、年収に換算すると約730万円(約5%増)に増加する予定だという。
同社は、2024年9月に新たなキャリア制度を導入し、販売員でありながらも店長並みの報酬が目指せるキャリアパスを選択可能にしている。また、非正規の販売員についても2024年11〜12月にかけて、スタート時給を最大1700円まで引き上げるなど、報酬の見直しを進めてきた。日本国内だけでなく、海外拠点でも報酬体系の見直しを継続しており、今後も国内外双方で随時改定を進め、小売業に限らず、全産業で優位性のある報酬水準を維持していくとしている。