物流会社のセンコーと住宅メーカーの旭化成ホームズ、積水化学工業 住宅カンパニー、積水ハウスは2024年12月から住宅物流での協業を開始する。「住宅物流4社協議会」を発足し、物流効率化と脱炭素社会への貢献を目指す。次の4つの協業施策を実施することで、2025年までにドライバーの運転時間を約1万7,000時間(トラック2,160台分)削減し、輸送CO2排出量を約500t-CO2(スギの木約3万5,800本分)削減するとのこと。
物流拠点・車両の共同利用
住宅メーカー3社がもつ7エリア29ヵ所に点在する物流拠点とトラックを共同利用することで、繁閑差を補完しながら効率的・安定的な物流網の構築を目指す。主に主要都市部にある7エリアにおいて、拠点を共同利用。より施工現場に近い拠点を中継拠点として、輸送拠点から施工現場までを効率的に配送できる。また、少量荷物を取り扱う拠点の統合や全社の拠点をつないで、効率的な管理ができるシステムの導入も検討し、全国的な展開を進める予定となっている。
既に東北エリアで2024年7月に東北セキスイハイム工業・積水ハウス東北工場の2拠点で4台、中部エリアで24年7月~9月にセキスイハイム工業中部事業所・積水ハウス静岡工場の2拠点で150台の車両の共同利用が始まっている。
部材メーカーからの購入・輸送を共同で実施
通常は各社それぞれで車両を手配する同一メーカーからの住宅部材輸送に対して、住宅メーカー3社の荷物をまとめ、車両を共同手配する。これにより、積載効率を向上させて輸送力の強化を図るとともに、トラック台数の削減も目指す。また、共同配送を増やすために、住宅メーカー3社による共同購買も促進していく考え。この協業により、運転時間削減率5%、輸送CO2排出量削減率5%を見込む。
車両大型化+各社拠点の中継輸送で配送効率向上
長距離の幹線輸送において、10トン車2台分を1編成とした大型車両「ダブル連結トラック」を導入。2台分の貨物をドライバー1名で配送することで、運転人数の半減を実現する。2024年7月に開設し今後複数エリアでオープン予定のセンコー保有の中継拠点「TSUNAGU STATION」を、トレーラーの交換やドライバーの乗り替わり場所として活用。配送効率の向上と長距離運転の抑制を図るとともに、2024年12月から順次、各社の物流拠点を結ぶ中継輸送ルートを拡張する。結果的に、ドライバー運転時間の約45%削減と、輸送CO2排出量の約35%削減を目指す。
環境にやさしい配送で輸送CO2排出量を削減へ
環境負荷に配慮し、軽油に代わる燃料導入の有用性を検証するため、EV車両や軽油代替燃料で走行するリニューアブルディーセル車両の導入を進める。既に始めている取り組みとして、2023年9月には住宅施工現場への配送に平ボディのEVトラックを導入、さらに2024年10月には廃油で走行するリニューアブルディーゼル車を神奈川県厚木市に導入し、建築部材の配送を開始している。