クラシコムは、ライフカルチャープラットフォーム「北欧、暮らしの道具店」のYouTube公式チャンネルの登録者数が60万人を突破したと発表した。なお、新規顧客に加えて既存顧客のリピート伸長により、2024年10月15日時点で総再生回数が1億5,000万回超、総再生時間が1,000万時間超となっている。
同社は、2011年「北欧、暮らしの道具店」公式YouTubeチャンネルを開設。当時は商品ページやSNSに掲載するための短尺動画のアーカイブとして活用していた。2018年4月配信開始のオリジナルドラマ『青葉家のテーブル』を機に、本格的なチャンネルの運用をスタート。2019年4月に短編ドキュメンタリー番組『うんともすんとも日和』、同年12月にオリジナルドラマ『ひとりごとエプロン』を公開した。
また、2019年8月配信開始の『Morning Routine わたしの朝習慣』、2020年2月配信開始の『ルームツアー あそびに行きたい家』など、Vlog形式の番組を開発し、次のエピソードを見るためのチャンネル登録が増えるという安定的なサイクルを生み出せたとのこと。以降も2021年10月に初のアニメーション『リヴィングライフ』、2024年7月に初のオリジナル楽曲『わたしの星 feat.三浦透子』のMVを公開するなど、新しいジャンルの表現を模索している。
約90%の動画が10万回再生超、約65%がリピート視聴
クラシコムはチャンネル開設から一貫して、サステナブルな運営を軸に番組を開発、2020年以降に公開された約400本の動画のうち約73%は10万回超、14%超は50万回超の再生回数を記録している。
また、同社は「北欧、暮らしの道具店」の統一された世界観を軸にした没入型な映像が既存顧客の複数回にわたる視聴を後押したとしている。リピート視聴は全体の約65%、総再生回数は1億5,000万回を突破した。
若年層以外にも認知を拡大 45歳以上の視聴者が56%超
同社が2023年11月に実施した「北欧、暮らしの道具店」の認知度調査では、20代の認知のきっかけは「YouTube」が最多だった。同年2月に実施された既存顧客へのアンケートでも、20代の公式YouTubeチャンネル視聴は63%超となっている。
こうした背景から、同社はF1層(〜34歳)への認知の広がりに対して、ゆるやかに広がりを見せるF2層F3層のニーズに応える動画企画が、YouTube市場に不足しているのではないかという仮説を立てた。これをもとに既存番組の傾向を観察したところ、ドキュメンタリー番組『うんともすんとも日和』の中でも、比較的年齢層が高いゲストが登場する回の人気が高く、「北欧、暮らしの道具店」の主要顧客であるF2層F3層のニーズに応えるコンテンツの可能性を感じる結果となったという。
同社がこうした取り組みを重ね、既存番組の出演者や商品の選定など、F2層F3層のニーズに応える企画を模索した結果、2018年と比較して2024年の35歳以上の視聴者は34%増の80%超、45歳以上の視聴者は29%増の56%超となった。加えて、F1層からの支持も集め、若年層とのエンゲージメントも深まっているとのこと。
顧客の動機に寄り添う企画で商品動画も堅調
クラシコムは、公式YouTubeチャンネルにおける顧客の年齢層の広がりを受け、「北欧、暮らしの道具店」での購買へと誘導する商品動画も強化している。近年は、商品の機能を紹介するレビューや利用シーンを想起させるイメージ訴求といった既存の文脈のみならず、顧客の深い動機に寄り添う新たなテーマ開発にも取り組んでいる。
伊藤千桃氏出演のオリジナル「ブラックフォーマル」の商品動画は、着用レビューに加えて、F3層にとってのファッションの在り方やセンスの源泉を深掘りするインタビューを実施。没入できる世界観の構築により、20万回再生を記録したという。
なお、同社が2015年より開始した「北欧、暮らしの道具店」の世界観の醸成やコンテンツ制作のノウハウを生かしたマーケティング支援サービス「BRAND SOLUTION」の動画制作プラン「BRAND MOVIE」も、視聴者の年齢層拡大と動機に寄り添う企画開発により堅調に推移し、現在50本超の動画が公開されている。