凸版印刷は、タイで軟包装の製造/販売体制を有するMajend Makcs Co.,Ltdの株式譲渡契約を締結した。2022年5月までに、連結子会社化が完了予定だという。
同買収により、凸版印刷はタイにおける主に欧米/ASEANエリア向けへ製造される軟包装の現地生産が可能になる。
凸版印刷は2021年5月に発表した中期経営計画(2021年4月〜2023年3月)のキーコンセプトとして「Digital&Sustainable Transformation」を掲げ、なかでも重点施策のひとつである、グローバルパッケージ事業においては、サステナブル需要の獲得と地産地消体制の構築を加速させている。
また、これまでも、インドネシア、タイ、中国などアジアエリアにおいてパッケージ事業を推進してきたが、2016年4月には「TOPPAN USA ジョージア工場」設立により欧米への透明バリアフィルム「GL BARRIER」の製造供給体制を確立し、昨年は米英で事業を展開するパッケージメーカー「InterFlex Group」を買収、直近ではインドのフィルム製造大手「Max Speciality Films」を連結子会社化するなど、北米や欧州、中南米エリアを視野にいれたグローバルな製造/販売を強化している。
今回、連結子会社化するMajend Makcs社は、2002年にタイで創業。各種食品や消費財・メディカル向けの軟包装を製造/販売している。
タイは食品/消費財などのグローバルブランド企業における欧米/ASEANエリア向けの主要生産地であり、凸版印刷は同買収により、保有するサステナブル包材をこの有力な市場で生産/提供できるように。これにより、各種バリアフィルムなど包装材料の製造から、最終製品までを世界中でワンストップに提供することのできる、グローバルパッケージメーカーとなることを目指すとのこと。
期待されるシナジー
サステナブル包材のグローバル供給体制確立
ワールドワイドにビジネスを展開するグローバルブランド企業において、自社製品の環境対応は必須となっており、数多くのグローバルブランド企業が欧米や日本向け製品の製造拠点を置くタイにおいても、パッケージの環境対応、多機能化への需要は今後ますます高まっていくと考えられる。同社はグローバルブランドに対しすでに供給している「GL BARRIER」ラインアップのひとつ、高機能モノマテリアル包材向けバリアフィルムなどを活用した、サステナブルパッケージの製造を Majend Makcs 社において展開することにより、トッパングループによるグローバルなサステナブル包材の供給体制を確立する。
技術ノウハウ・原材料調達の共有化による生産性の向上
Majend Makcs社の持つタイにおける軟包材の生産技術、ノウハウと、凸版印刷の持つ透明バリアフィルム「GL BARRIER」を中心としたコンバーティング技術の共有と相互の取り込みや、原材料の共同調達により、両社のさらなる生産性の向上と安定的な材料調達体制の構築、価格競争力の強化を図る。また、グローバル市場での顧客動向や技術情報の分析・開発を行う、グローバル開発拠点のひととしての活用を推進する。