シャープは、工場や倉庫などにおける業務効率化に貢献する無線デジタルピッキングシステム(以下、無線DPS)の新製品を開発、受注を開始した。
無線DPSは、工場や倉庫などの上位システムと連携し、ピッキングや仕分けの際に、保管棚に設置したデジタル表示器のランプを点灯させて、作業者を誘導する作業支援システム。これにより、スピーディかつ正確な作業が可能となる。
同システムは、デジタル表示器とホストコントローラーの通信を無線で行ううえ、デジタル表示器には電池を内蔵。配線が不要なので、生産ラインの変更や保管棚のレイアウト変更にも柔軟に対応できるほか、台車やカゴ車、搬送ロボットなど、移動体への設置も可能だという。また、Sub-GHz帯の周波数(920MHz)を使用しているので、2.4GHz/5GHz帯域の無線LANとの電波干渉がなく、高速かつ安定した通信が行える。
ホストコントローラーは、単独でも半径約30mの広範囲な通信が可能。利用範囲に応じて複数台を設置することで、より広い範囲をカバーすることもできる。
デジタル表示器は、内蔵電池と太陽電池の併用により、最長約5年間の電池寿命を実現。手間のかかる電池交換や充電を気にすることなく長期間使用することができる。
さらに、ピッキングの正誤を「音」「光」「振動」で伝えるハンドリーダー(オプション)と組み合わせることで、人為的ミスを高精度で抑制する。
同社は今春、同システムの開発に協力したトヨタ自動車 高岡工場(愛知県豊田市)に先行納入。顧客ニーズの多様化による多品種少量生産や人手不足などの課題を抱える製造業や物流業へ広く提案し、工場や倉庫などにおける業務効率化に貢献していくとのこと。
主な特徴
- 無線通信の採用と内蔵電池により、配線の手間を抑え、生産ラインの変更や保管棚のレイアウト変更にも柔軟に対応
- Sub-GHz帯の周波数を使用。無線LAN(2.4GHz/5GHz)との電波干渉がなく、高速かつ安定した通信が可能
- デジタル表示器は、内蔵電池と太陽電池の併用により、最長約5年間の長寿命を実現