アリババグループは2021年11月12日、今年で13回目となる天猫ダブルイレブン・ショッピングフェスティバルが終了し、GMV(流通総額)が5,403億元(約9兆6,173億円)に達したことを発表した。
過去最大となる29万ブランドが参加し、そのうち65%が中小企業、工業地帯にある製品メーカー、新ブランドとなった。新興地域にある農業地帯は、農業製品のGMV(流通総額)が前年比20%増となるなど、好調な販売を記録した。
2021年9月時点で、越境EC「天猫国際)」が運営する海外直送(Tモール海外フルフィルメント)は、日本倉庫が備蓄された商品数は、前年同期比で10倍以上増加。日本のブランドは、今年の天猫ダブルイレブンに向けて積極的に在庫確保に動いていることがわかる。アリババ傘下の物流プラットフォーム「菜鳥(ツァイニャオ)」が展開する中国保税倉庫の日本ブランド全体の在庫数は、今年9月から10月まで期間に、前年同期比で286%増加した。
今年の天猫ダブルイレブンの開始に先立ち、アリババグループは全システムおよびオペレーションをパブリッククラウドに完全に移行。アリババのEコマース・ビジネスを支える重要な役割を担っている河北省張北県にあるアリババクラウドのデータセンターでは、再生可能エネルギーの利用により、26,000トン以上の二酸化炭素排出量が削減されたとのこと。
なお、GMVの集計期間は次のとおり。
- 予約販売期間 :2021年10月20日20時〜10月31日、11月4日20時〜11月10日
- 販売期間 :第1期 2021年 11月1日〜11月3日、第2期 2021年 11月11日
- GMV集計期間 :2021年11月1日〜11月11日の11日間
既存ブランドの売上増
78のブランドの売上高が昨年の1,000万元レベルから1億元を突破し、698のブランドの売上高が100万元レベルから1,000万元レベルに増加した。
購買層の変化
商品を購入した消費者のうち、45%以上が1990年以降および2000年以降生まれに。2000年以降生まれの消費者は前年比で25%増となった。
サステナビリティへの取り組み
2,000以上のマーチャントがエコ製品を展示するTモール内の特設売り場「グリーン会場」に参加し、約50万点の環境負荷が少ないエコ製品を提供した。
海外ブランドの越境EC堅調
2万9,000以上の海外ブランドが参加し、「Tモール・グローバル」で130万以上の新商品が発売。海外ブランドのうち、2,800以上のブランドは初参加となる。
新規顧客の獲得
1,600以上のブランドがTモールにおける新規会員獲得キャンペーンに参加し、のべ9,700万人以上の新規会員獲得につながった。
新興ブランドの台頭
11月1日から10日までの間では、90の新興ブランドがそれぞれの所属細分化カテゴリにおいて、3年連続で売上高トップブランドに。275の新興ブランドの売上高が3年連続で前年比で倍増した。
ロボットによる配送
11月1日から10日までの間では、中国の大学や都市コミュニティでラストワンマイルの配送を担う約350台の自律型配送ロボット「小蛮驢(シャオマンリュ)」が100万個以上の荷物を届けた。これは2020年9月から2021年9月までの過去1年間に小蛮驢が届けた荷物数を上回っている。
アリババグループ バイス・プレジデントの楊光氏は次のようにコメントしている。
「今年の天猫ダブルイレブンでは、ダイナミックな中国の消費経済を反映して、安定した質の高い成長を実現しました。また、天猫ダブルイレブンの持つプラットフォームとしての力を、社会的責任を果たすために活用しました。今年のフェスティバルは、持続可能な未来の構築に向けた当社の取り組みの一環として、意義深い節目となりました。」