ネクストレベルが運営する縁結び大学では、コロナ禍で不要不急の外出や海外への渡航が制限されていたなかでの新婚旅行の実態を探るべく、2020年4月以降に結婚したカップルのうち、新婚旅行に行った人、行かなかった人それぞれに、その理由や行動の詳細について調査を行った。
新婚旅行に行った人は27.6% 2019年の実施者の半数以下に
同アンケートは、2020年4月以降に結婚した男女221人に行った。そのうち、新婚旅行に行ったと回答したのは61人、行かなかった人は160人で、新婚旅行に行った人の割合は、27.6%だった。
『ゼクシィ結婚トレンド調査2020』によると、2019年度のハネムーン実施者は66%だったが、2020年度以降はこの数が大幅に減少したと推測できる。
新婚旅行の行き先は「沖縄県」と「北海道」が多数
新婚旅行の行き先について、まず居住地からどのくらい離れた場所へ行ったかを聞いた。「住んでいるエリア(都道府県)内」や「住んでいるエリアに隣接している都道府県」などいわゆる“近場”に出かけた人は、合わせて27.9%。3割弱の人が“近場”を選んでいるという状況は、不要不急の外出や海外への渡航制限が影響していると考えられる。
「飛行機で移動する場所」「車や電車で移動できる場所」など、隣接する都道府県よりも遠い場所に出かけた人は、合わせて72.1%。なかでも「飛行機で移動する場所」が39.3%ともっとも多くなっている。
次に、具体的な行き先を聞いた。もっとも多かったのは「沖縄県」、次が「北海道」。この2エリアは人口が多い首都圏や関西圏からだと「飛行機で移動する場所」に当たる。
3位には「静岡県」がランクイン。浜名湖エリアや富士山が美しく見える山麓の御殿場、温泉地として人気の伊豆など、首都圏や中京圏から比較的アクセスがしやすいことから、“近場”の旅行先として選んでいる人が多いと考えられる。
ハネムーンといえば以前は海外のビーチリゾートが人気だったが、渡航制限や自主隔離措置の影響で、2020年4月以降は国内のみが選択肢になっていることがわかる。
ハネムーンの行き先、その場所を選んだ理由
沖縄県に行った人
- 感染状況や家族の事情があり、二人だけで結婚式をすることにしたので、せっかくなら新婚旅行も兼ねて沖縄で式を挙げることにしました。(大阪府/27歳女性)
- 距離や景観的にも沖縄が一番海外気分を味わえると思ったから。(東京都/26歳女性)
- 本当は海外のリゾートに行きたかったが、状況的に日本国内のリゾート地である沖縄に決めた。(東京都/28歳女性)
北海道に行った人
- 本当はスイスに行きたかったが渡航制限で行けなかったので、国内で爽やかな空気を味わえる北海道に行くことにした。(広島県/33歳男性)
- 本当はハワイに行きたかったが海外には行けないので、国内でなかなか行く機会がなく、美味しいものが多い北海道に行くことにした。(熊本県/27歳女性)
その他のエリアに行った人
- 車で行ける距離で行ったことのないところにしようと思い、居住地である東北以外で考えました。栃木県の「東武ワールドスクエア」はいろいろな国の世界遺産が見られるので、海外に行った気分で楽しめると思いました。(岩手県/26歳男性)
- 本当は北欧かカナダでオーロラを見るのが夢だったのですが、この状況なので国内に。GO TOトラベルをやっていたこともあり、普段なかなか泊まれない「ディズニーリゾート」の公式ホテルを選びました。(愛知県/29歳女性)
- 医療従事者のため、居住県から出ることができませんでした。ただ新婚旅行はしたかったので、露天風呂付き客室で食事が評判の県内の高級旅館に行くことにしました。(鹿児島県/34歳女性)
コメントでは「本当は海外に行きたかったが……」という声が多く聞かれた。ほとんどの人が、感染状況を考慮して新婚旅行の行き先を考えていたことがわかる。
旅行の日数は2泊3日が最多で短期滞在が主流の傾向
新婚旅行の日数について聞いたものです。もっとも多かったのは「2泊3日」で36.1%。次に多いのは「3泊4日(21.3%)」「1泊2日(19.7%)」の順で、3泊以内だった人が77.1%となり、多くの人が短期滞在を選んだことがうかがえる。
『ゼクシィ結婚トレンド調査2020』によると、2019年度のハネムーン日数は平均で6.8日。この数字と比較すると、2020年4月以降は新婚旅行の日数が大幅に短くなっていることがわかる。海外に行く人が多かった以前の状況から国内旅行がメインになったことで、旅行日数も短くなったと考えられる。
また、人との接触を減らすなどの制限が多い状況で、旅行先で楽しめる観光やイベントが限られてしまうことも影響している可能性があると推測される。
宿泊費の価格帯は、1人1~4万円がボリュームゾーン
新婚旅行で宿泊した旅館やホテル等の価格帯についても聞いた。もっとも多かったのは、1泊当たり1人「1~2万円」で29.5%。次に多かったのは、「3~4万円」で21.3%。1泊1人当たりの金額では、「1~4万円」が合計70.5ポイントでボリュームゾーンであることがわかった。
『ゼクシィ結婚トレンド調査2019』によると、2019年度のお土産代を含まない新婚旅行の平均費用は61.4万園で、費用が10万円未満以下だったのは2.6%に留まっている。このことから2020年以降は、新婚旅行の費用が大きく減少しているといえる。
これは、行き先が海外から国内主流に変化していることや、平均滞在期間が短くなっていることの影響と考察される。
約6割が新婚旅行の行き先は「前から行きたかった所ではない」
どのくらいの人が希望通りのハネムーン先を選んでいるかについても調査を行った。
その結果、「前から行きたかった所ではない」が59%と過半数を占める結果に。新婚旅行に行った人の約6割が、当初行きたいと思っていた場所を変更せざるを得なかったことが判明した。
「前から行きたかった所ではない」人の新婚旅行に対する満足度はやや低い
新婚旅行の行き先が「希望通りの場所」だった人と「前から行きたかった所ではない」人とで、新婚旅行の満足度について比較した。
その結果「大満足」と答えた人は「希望通りの場所」だった人が80.0%だったのに対し、「前から行きたかった所ではない」人は41.7%に。
本当に行きたかった新婚旅行の行き先は「ハワイ」が最多
「前から行きたかった所ではない」と回答した人が、本当はどこに行きたかったのかを聞いた。
当初思い描いていた新婚旅行先は、「ハワイ」が最多に。またヨーロッパ周遊や海外のビーチリゾートに行くつもりだった人も多くいた。
移動制限が解除されたら「改めて新婚旅行に行きたい」44.3% 「新婚旅行に行くつもりだった」は45.6%
今後移動の制限が解除されたら改めて新婚旅行に行きたいかを聞いてみたところ、44.3%が「改めて行きたい」と回答した。
また、同調査では、2020年4月以降に結婚した72.4%の人が「新婚旅行に行かなかった」と回答。このうち、45.6%の人は「(当初は)新婚旅行に行くつもりだった」ことがわかった。不要不急の外出自粛や海外への渡航制限が、新婚旅行の需要を大きく減退させていたと推察される。
新婚旅行に行かなかった理由
ハネムーンに行っていない理由
- 妻はグアムに行きたいそうですが、今は海外に行けないため現在待っている状態です。まだ結婚式も挙げられていないです。(茨城県/29歳男性)
- どこかに行きたいねという話は出るが、「やっぱり今は行けないよね」という話になる。職業柄、絶対に感染できないので、うやむやになっています。(山形県/35歳男性)
- 金銭的余裕がないです。緊急事態宣言などの影響で収入が減り、ハネムーンの旅費を出せません。(宮城県/29歳男性)
- 夫の会社のルールで、県をまたいでの行動に制限がかかってしまい、泣く泣く断念しました。(愛知県/25歳女性)
- ヨーロッパ周遊を計画していました。渡航条件が緩和されないため、ハネムーンに行けていません。国内旅行も考えましたが、やはり一生に一度なので、来年には行けることを願って待ち続けています。(福島県/30歳女性)
移動の制限が解除されたら「新婚旅行に行きたい」が61.3%
現在のところ「新婚旅行に行かなかった」人のうち61.3%は、移動の制限の解除後に「新婚旅行に行きたい」と回答。新婚旅行の潜在的な需要が減少したのではなく、社会状況が改善すれば新婚旅行に行く人が多くいることが推測で切る。
新婚旅行で行きたいのは、やっぱり「ハワイ」
「新婚旅行に行かなかった」人にも、もし行けるならどこに行きたいかを聞いてみました。その結果、「新婚旅行に行った」人と同様「ハワイ」が断トツの1位で、続くラインナップにもヨーロッパやビーチリゾートなどが同じく人気であることが判明した。
調査概要
- 調査方法:インターネットアンケート
- 実施時期:2021年8月23日~9月6日
- アンケート母数:ハネムーン実施61名、非実施160名 計221名
- 調査実施主体:縁結び大学
- 調査会社:ネクストレベル