芸能人がYouTuberに 選択肢があるのが自由
元祖動画SNSのYouTubeでは、9月に、女優としてマスメディアでも活躍する本田翼さんが、ゲーム実況動画を配信するチャンネル「ほんだのばいく」を開設。第1回の生配信のダイジェスト版の再生が300万回に迫り、チャンネル登録も90万に迫る勢いで話題となった。また、お笑いコンビ・キングコングの梶原雄太さんが10月1日、YouTuberとしてデビュー。公式YouTubeチャンネルの登録者数が2019年の年末までに100万人を達成しない場合、芸人を引退すると発表している。
「ゲーム実況は、それ自体がとても人気があるコンテンツなので、それも影響しているでしょう。ヘアメイクや料理も、動画と相性がいいので、そういったコンテンツを芸能人が扱うと、人気が出る可能性は高いです。一方で、単にタレントがチャンネルを開設したからといって成功するとは限りません」
海賊版や違法アップロードも止まないことから、芸能人がそれなら自分でやろうと考えるのも理解できる。
「実力のあるタレントはメディアが変わってもやっていけるでしょうが、その周辺でビジネスをしている人たちが、時代の変化についていけずに仕事を失う可能性はあると思います。タレントの高額なギャラは、すべて本人が得ているわけではないですからね。何千万円もの予算をかけ従来のやりかたで作るテレビ番組よりも、YouTuberがひとりで作ったコンテンツのほうが、ユーザーに刺さる、見る人にとってはクオリティが高いということが起きてきています。これもビジネス同様、ソーシャル化の流れですよね。若い世代がテレビを見ないと言われますが、親が子どもに見せたいと思うような、子どもに寄り添った番組は私の子どもも夢中で見ています。一方で、コントロールしようという意図が見えると子どもは途端に興味を失います。僕らの世代はテレビのフォーマットに染まってしまっているのですが、そうではない若い世代ほど見抜くんでしょうね」
Twitterでトレンド入りするのはテレビに関連するものが多く、Instagramでは芸能人のアカウントが人気だ。メディアが変わっただけのようにも見えるが。
「それでも、どのアカウントの情報を信じるか選択ができるという点でSNSのほうが自由度が高いと思います。そして、タレントであっても企業であっても、SNSではその思想が丸裸になる。とくに動画は、頭で考えるというより感覚でわかってしまうところがあると思います」