haco!の「#(ハッシュタグ)」によるサイト回遊性向上
フェリシモが運営する「haco!」のユーザビリティの優れた施策は、「#(ハッシュタグ)」による回遊性向上です。
商品詳細ページには複数のハッシュタグが必ず付けられており、タグをタップすれば関連する商品が並ぶ一覧ページに遷移します。
ハッシュタグはInstagramやTwitterで日常的に使われる機能であることから、haco!ユーザーと相性が良いと想定したのだろうと思います。
サイト内で回遊しやすくなったことは、元々ユーザーが自分の頭の中に思い浮かばなかった商品を、サイト側が別の商品を提案することにつながります。つまり、haco!のハッシュタグの効果はユーザーと商品の接触機会を積極的に生み出すことです。
消費者ニーズによる、新しい商品グルーピング
アパレル系ECサイトでは、一般的に「ブランド」「カテゴリー」「色」の商品レコメンドが商品詳細ページに掲載されます。
ZOZOTOWNと比較してみましょう。ZOZOでは、同じカテゴリーの購入ランキングや閲覧履歴(=このアイテムも見られています)も提供しています。あるストリート系ブランドの白いロングTシャツの詳細ページを見ると、同じブランドの青いロングTシャツやカーディガン、ブランドを問わない白いロングTシャツが、詳細ページに掲載されています。
ブランド力がある商品であれば、詳細ページから同一ブランドの商品を探すニーズがあります。たまたま自分は白いロングTシャツを探していたが、このブランドの商品であれば、白いロングTシャツでなくとも欲しい、というニーズは一定数は存在します。
ブランドに強いZOZOTOWNの導線としては、自然な回遊施策です。また、カテゴリーと色のほうがブランドより意識が強い層もいるので、白いロングTシャツを並べることは、どうしても白いロングTシャツが欲しい、というユーザーニーズに応対できる仕様です。
さて、haco!です。haco!で採用しているハッシュタグに期待する効果は、ユーザーに別商品への気づきを与え、購入につなげることでした。ZOZOTOWNのブランドや商品によるレコメンドと目的は同じです。
しかし、haco!のハッシュタグは、ブランドや商品を起点にしていません。たとえばキャメルカラーのニットの商品詳細ページを見てみると「#デニムに合う」「#着やせ」「#腰回りカバー」「#Vネック」「#リラックス」というタグが並んでいます。
それらのタグをタップすると、「#デニムに合う」のタグが付いている商品一覧に遷移します。これはブランドと商品カテゴリーよりも、どのような価値を商品に求めているのかを見える化した結果で、ユーザーの心の中で無意識に浮かんでいる言葉だと思います。
「#着やせ」をタップすると腰まで隠れるようなロングニットや、体型を隠すようなデザイニングをされたフリル付きのトップス、ダークトーンのワンピース等が商品カテゴリーやカラーに無関係に並んでおり、アパレルECにおける新しい商品グルーピングを提供しています。
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