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2025年6月12日(木)10:00~17:25

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「こねこ便」と「レターパックライト」の違いは? 送料やサイズを比較

 2024年8月からサービスを開始した、ヤマト運輸の「こねこ便」。小型の荷物を送るのに最適なサービスです。しかし、「こねこ便」を使うにはどのような条件があるのか、同じようなサイズの荷物を送れる日本郵便の「レターパックライト」との違いなどが気になる人も多いのではないでしょうか。そこで、本記事ではこねこ便とレターパックライトの特徴や違いを解説します。また、他の発送サービスも紹介するので、比較材料として参考にしてみてください。

ヤマト運輸の「こねこ便」とは 

 ヤマト運輸では、小さな荷物を送る際に適している「こねこ便(こねこ便420)」というサービスを提供しています。2024年8月26日から開始したサービスで、東京都のみで専用資材を販売するところから開始し、2025年5月21日より全国での販売を開始しました。

 ただし、サービス開始からまだ日が浅いため、認知度はそこまで高くなく、こねこ便について知らない人もいるのではないでしょうか。そこで、特徴やメリット・デメリットを見ていきます。

こねこ便の特徴

 こねこ便は、以下のような特徴があるサービスです。

送料 420円(税込)
荷物のサイズ 34cm×24.8cm
厚さ 3cm以内(3辺合計61.8cm)
重さ 制限なし
発送方法 ヤマト運輸営業所または集荷
お届け方法 郵便受け

 送料は全国一律420円のため、送り先の場所に関係なくどこでも同じ料金で荷物を送れます。届ける際には郵便受けに配達されるので、荷物を受け取るために自宅にいたり、不在の場合に再配達を依頼したりする必要がありません。

 こねこ便を送るには、ヤマト運輸の営業所や「クロネコマーケット」「ヤマトビジネスメンバーズ」で販売されている専用資材を利用することが条件となっています。現在は沖縄県以外で販売をされていますが、専用資材がある場合は沖縄県あての発送も可能です。

こねこ便のメリット 

 こねこ便を使う大きなメリットは、全国一律料金で荷物を送れる点です。ヤマト運輸の宅急便は、発送する場所と送り先の場所によって送料が変動しますが、こねこ便は運賃込み420円(税込)の専用資材を購入して荷物を発送するだけで全国どこにでも荷物を届けてくれます。

 また、宅急便と同等の配達スピードである点もポイントです。最短翌日に届けてくれるため、早く届けたい荷物を送る際にはメリットとなるでしょう。

 さらに、紛失・破損に対して荷物1個につき3,000円(税込)の補償がされており、補償制度が手厚い点も嬉しいポイントです。

こねこ便のデメリット・注意点 

 こねこ便を利用するにあたり、デメリット・注意点も把握しておきましょう。

専用資材を利用しなければ発送できませんが、その資材を購入する方法が限られています。2025年6月時点では、

  • ヤマト運輸の営業所
  • ヤマト運輸のセールスドライバー
  • クロネコマーケット
  • ヤマトビジネスメンバーズ

のみで販売されています。また、沖縄県では資材の販売がされておらず、住んでいる場所によっては資材の購入がしにくい点はデメリットです。

 また、信書を送れません。請求書や契約書などの信書はこねこ便以外の配達方法で送る必要があります。

 そして発送方法も限られており、ヤマト運輸営業所か集荷のみで発送できます。コンビニや宅配便ロッカーからは発送できないため、営業所やドライバーの営業時間内に発送しなければなりません。

郵便局の「レターパックライト」とは 

 こねこ便とよく比較されるのが、郵便局が提供している「レターパックライト」です。こねこ便と同じように小さな荷物を送る際に最適な配達サービスで、専用資材が必要となります。詳しい内容について見ていきましょう。

レターパックライトの特徴

 レターパックライトは、日本郵便(郵便局)が提供している小型荷物専用の配達サービスです。特徴は以下のとおりです。

送料 430円(税込)
荷物のサイズ 34cm×24.8cm
厚さ 3cm以内
重さ 4kg以内
発送方法 ポスト投函、郵便局への持ち込み
お届け方法 郵便受け

 郵便局や郵便局の公式ネットショップなどで購入できる430円の専用封筒を使うことで、A4サイズ・4kgまでの荷物を全国に送れます。発送する際には郵便局への持ち込みやポスト投函にも対応しており、荷物を届ける際には送り先の郵便受けに配達されます。

レターパックライトのメリット

 レターパックライトは専用の封筒を利用する必要がありますが、封筒は全国の郵便局や郵便局ネットショップで購入できて手軽です。郵便局の窓口やポスト投函でも発送できるため、自宅近くのポストや通勤途中のポストなどで簡単に発送できるのもポイントです。

 また、信書を送れるのも大きなメリットとなるでしょう。領収書、申込書、契約書、納税証明書などの信書を送れるため、幅広い用途で利用できます。

レターパックライトのデメリット・注意点

 レターパックライトを利用する際には、以下のデメリットに注意する必要があります。

 まず、重さに関してです。レターパックライトは4kg以内という重さ制限があるため、それ以上の重さの荷物は送れません。

 また、補償サービスはないため、荷物の配達途中で紛失や破損などのトラブルがあっても補償されないため注意しましょう。

こねこ便とレターパックライトの5つの違い

 ヤマト運輸のこねこ便と、郵便局のレターパックライトは「小さい荷物を送る」「専用の資材(封筒)を使う」という点で共通していますが、細かい点に違いがあります。こねこ便とレターパックライトの5つの違いを見ていきましょう。

送料

 こねこ便もレターパックライトも、専用の資材・封筒を購入することで荷物を送れるため、専用資材の料金=送料と言えるでしょう。この専用資材の料金に関して、こねこ便とレターパックライトでは異なります。

  • こねこ便:420円
  • レターパックライト:430円

 レターパックライトはもともと370円で提供されていましたが、郵便料金の改定に伴って2024年10月1日から430円になりました。そのため、現在ではこねこ便のほうが10円だけ安くなっています。

サイズ・重さ

 次は、サイズと重さについて見ていきましょう。

 サイズは、こねこ便もレターパックライトも同じで34cm×24.8cm。A4サイズ相当の荷物を送れるようになっています。

 重さに関しては、こねこ便は制限がない一方でレターパックライトは4kg以内という制限が設けられています。

 A4サイズで重さのある荷物を送る際には、こねこ便のほうが適していると言えるでしょう。

発送方法・受取方法

 次に、発送方法と受取方法について見ていきます。

 こねこ便の発送方法は、ヤマト運輸の営業所もしくはドライバーによる集荷となっています。一方、レターパックライトの場合は、郵便局窓口への持ち込みのほか、郵便ポストへの投函でも発送が可能です。より手軽に発送できるのはレターパックライトだと言えます。

 受取方法はどちらも同じで、郵便受けへの配達となっています。ただし、郵便受けのサイズによっては荷物が入らない場合もあり、こねこ便の場合は郵便受けに不在連絡票を投函して営業所にて受取もしくは再配達が可能です。一方のレターパックプラスは、郵便受けに入らないときは対面での荷物の受け渡しを行ない、もし不在だった場合は不在配達通知書による対応となります。

送れるもの

 こねこ便もレターパックライトもA4サイズの荷物が送れるため、以下のような荷物を送る際に適しています。

  • 衣類
  • CD、DVD、Blu-ray
  • 書籍
  • カタログ、パンフレット
  • アクセサリー類
  • 日用品類

 送れるもので大きな違いは、信書です。レターパックライトは信書を送れますが、こねこ便では対応していないため注意が必要です。

補償

 こねこ便とレターパックライトでは、補償面でも違いがあります。

 こねこ便は、荷物の紛失・破損に対して3,000円(税込)までの補償サービスがついています。しかしレターパックライトは補償がついていません。

こねこ便、レターパックライト以外の発送方法

 こねこ便やレターパックライトのほかにも、小さい荷物を送れるサービスがあります。ここでは、5つの発送方法を紹介します。

ネコポス(ヤマト運輸) 

 ヤマト運輸が提供する「ネコポス」は小型の荷物を送れて、送り先の郵便受けに投函されるサービスです。サイズに関しては以下のような規定があります。

  • サイズ(上限):縦31.2cm以内・横22.8cm以内
  • サイズ(下限):縦23cm以上・横11.5cm以上
  • 厚さ:2.5cm以内
  • 重さ:1kg以内

 この表を見るとわかるように、こねこ便よりも小さいサイズに対応しており、重さ制限もあります。ただし、一部のフリマサイトやオークションサイト経由で利用する場合は、厚さ制限が「3cm」となる場合もあるようです。

 また、ネコポスはこねこ便のように専用資材が必要なく、規格内のサイズであれば市販の資材で発送できます。ただし、送る際には専用の宛名ラベルが必要となるため注意しましょう。

 ヤマト運輸営業所への持ち込みか集荷のみでの発送となっており、コンビニからの発送には対応していません。

 重要な送料に関してですが、全国一律料金で送れるものの、数量などの諸条件によって価格を決めるため確認が必要です。

クロネコゆうパケット(ヤマト運輸) 

 ヤマト運輸の「クロネコゆうパケット」は、ヤマト運輸と日本郵便が連携したサービスです。ヤマト運輸で発送した荷物を、ヤマト運輸が日本郵便に引き継いで、日本郵便が届ける仕組みとなっています。ただし、2025年2月時点ではヤマト運輸との法人契約が必要となり、個人では利用できません。

 送れる荷物のサイズは、以下のような条件があります。

  • 長辺+短辺+厚さの合計が60cm以内
  • 長辺:34cm以内
  • 厚さ:3cm以内
  • 重さ:1kg以内

 「長辺+短辺+厚さ」の合計が60cm以内でなければならず、長辺と厚さにも制限が設けられておりサイズが特殊なので注意しましょう。

 送料は全国一律料金ですが、厚さに応じて異なり1cm・2cm・3cmで料金が変わります。数量などの諸条件で変動するため、ヤマト運輸に確認してください。

ゆうパケット(郵便局) 

 日本郵便の「ゆうパケット」は、重さ1kg以内の小型荷物に最適な発送サービスです。送料は、以下のように荷物の厚さによって異なりますが、全国一律料金となっています。

  • 厚さ1cm以内:250円
  • 厚さ2cm以内:310円
  • 厚さ3cm以内:360円

 サイズに関しても、以下のような規定があります。

  • 長辺+短辺+厚さの合計が60cm以内
  • 長辺:34cm以内
  • 厚さ:3cm以内
  • 重さ:1kg以内

 専用の宛名シールに必要な情報を記載したうえで郵便局窓口への持ち込みもしくは郵便ポストへの投函にて発送し、荷物は送り先の郵便受けに届けられます。

レターパックプラス(郵便局) 

 「レターパックプラス」は、A4サイズ・4kgまでの小型荷物を送れる日本郵便のサービスです。600円で購入できる専用封筒に荷物を入れて、郵便局窓口もしくは郵便ポストにて発送します。

 レターパックライトは厚さ3cm以内という制限がありますが、レターパックプラスはA4サイズ・4kg以内であれば厚さに制限はありません。また、郵便受けで荷物を受け取るレターパックライトとは違い、レターパックプラスは対面で荷物を渡して受領印か印鑑にて荷物を受け取ります。

ゆうメール(郵便局) 

 日本郵便の「ゆうメール」は、1kg以内のカタログや書籍、CD・DVDなどを送るためのサービスです。サイズは以下の規定が設けられています。

  • 長辺:34cm以内
  • 短辺:25cm以内
  • 厚さ:3cm以内

 荷物の外装には「ゆうメール」やそれに相当する文字を記載し、郵便局もしくは郵便ポストにて発送します。ただし、荷物を発送する際には以下のいずれかの方法で中身を確認できるようにしなければなりません。

  1. 封筒または袋の納入口などの一部を開く
  2. 包装の外部に無色透明の部分を設ける
  3. 内容品の見本を郵便局で提示する

 送料は全国一律料金で、以下のように重さにより異なります。

  • ~150g:180円
  • ~250g:215円
  • ~500g:310円
  • ~1kg:360円

 発送時の注意点はありますが、書籍やCDなどを送る際には低価格で利用できるため便利なサービスです。

記事のまとめ

 ヤマト運輸のこねこ便は、東京都のみで専用資材が販売されていますが、さまざまな荷物を送る際に利便性が高いサービスとなっています。重さ制限がない点や紛失・破損に対する補償がある点などはメリットですが、信書が送れないことは注意が必要です。

 一方、日本郵便のレターパックライトは信書を送ることができ、郵便ポストからでも発送できるため手軽なサービスです。しかし補償制度はなく、重さ制限もある点はデメリットと言えるでしょう。

 他にも、小型の荷物を送る際に適したサービスは多岐にわたります。荷物の内容やサイズ、送料などを考慮して、うまく使い分けると良いでしょう。

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この記事の著者

EC研究所(イーシーケンキュウジョ)

ECについての情報を調べ、まとめてお届けします。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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