CPM高騰を契機に加速する広告依存からの脱却
SNSに投稿されたテキストや写真・動画、クチコミやレビューを指すUGC。なぜ今ニーズが高まっているのか、本記事では昨今のECを取り巻く市場や消費者の変化などから、考えてみます。
まずは、集客施策における環境変化です。各媒体におけるCPM（Cost Per Mile）は高騰する傾向にあり、これまでのような広告に依存した集客施策だけでは、成果を維持することが難しくなりつつあります。当社の独自調査結果からも、ダイレクトマーケティングに取り組む3企業のSNS広告のCPMは、平均で1.6倍まで上昇していることが判明しました。また、Cookie規制や薬機法の厳格化なども、デジタル広告を取り巻く環境に大きな変化を与えています。
こうした時代の中で、広告に依存して新規顧客の流入を増やすだけでは成果を出し続けることはできません。流入した顧客をいかにスムーズにコンバージョンまで導くかが鍵となります。UGCの活用は、流入した顧客のCVRを上げるための施策として重要度が増すと想定されます。
競合優位性を発揮するために求められる顧客体験への投資
D2Cブームにより、さまざまなブランドが脚光を浴びてきました。EC市場に新規参入する事業者は年々増加し、競合商品・サービスも増える一方です。競合が少ない時代においては安定的に売上を生み出せていても、新規参入企業が増えれば先行者メリットは徐々に薄れてしまいます。差別化が難しい商材は、価格競争も避けることはできません。
こうした中、他社と差別化するために顧客体験の見直しに力を入れる企業・ブランドが増加しています。ECサイト上のコンテンツ拡充やUXの改善、顧客1人ひとりに合わせたコミュニケーション設計など、各施策の重要性が高まっている状況です。
