矢野経済研究所は、健康食品メーカーらを対象に、国内の健康食品市場調査を行った。この調査における「健康食品」とは、機能性を訴求した食品で、錠剤、カプセル、粉末、ミニドリンクタイプ等の商品。
2015年度の健康食品市場規模はメーカー出荷金額ベースで、前年度比103.5%の7460億円を見込む。インバウンド需要(訪日外国人客の購買)、および2015年4月から開始された機能性表示食品制度における早期に届出受理された商品の販売が市場を押し上げた。2016年度は、インバウンド需要に落ち着きは見られるものの、機能性表示食品の発売が本格化していることなどがプラスに働き、前年度比で104.6%の7804億円を予測している。
近年拡大基調の見られるドラッグストアを中心とする薬系チャネルにおいて、2015年度はインバウンド需要、2016年度は機能性表示食品の本格的な展開により市場が大きく伸びるものと予測される。また、成長性が緩やかになりながらも、引き続き通信販売市場が拡大している。
本調査に関連して実施した、30代以上を対象とした消費者アンケート調査では、機能性表示食品の購入意向について、「積極的に購入したい」5.9%、「関心のある機能性表示の食品であれば購入したい」36.7%を合わせた層は全体で42.6%で、購入意向のない層(「あまり購入したいとは思わない」19.6%、「全く購入したいとは思わない」19.1%の合計)の割合38.7%を上回った。
また、同食品の機能として関心があるものとして、全体では「中性脂肪対策」「内臓脂肪対策」「コレステロール対策」「整腸」「アイケア」の割合がいずれも2割を超え、上位5項目となった。
【調査概要】
1.調査期間:2015年12月~2016年4月
2.調査対象:健康食品受託製造企業、健康食品販売会社(健康食品メーカー・一般食品メーカー・製薬メーカー等)、健康食品関連団体、管轄官庁等
3.調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・FAXによるヒアリング、郵送・メールによるアンケート調査、文献調査併用
<健康食品とは>
本調査における健康食品とは、機能性を訴求した食品であり、かつその形状が、錠剤、カプセル、粉末、ミニドリンクタイプ等の商品を対象とする。