株式会社とくし丸は、日本全国のスーパーマーケットと提携し、「移動スーパーマーケット」の仕組みをフランチャイズ方式で提供する事業を手掛けている。主な利用顧客は70代、80代のいわゆる”買い物難民”といわれる人たちで、400品目、1200品を販売車両に積み込んで、自宅まで訪問して販売している。現在、27都道府県で展開をしており、53社のスーパーマーケットと提携。2016年3月には月間流通金額が2億円を超え、年間約3倍の成長をしている。
オイシックスは、とくし丸の株式を取得し、連結子会社化すると発表。現状のオイシックスは、販売チャネルはインターネット、利用者は30代、40代の女性が中心だ。今回の買収で、オイシックスではリーチできていない地方のシニア、買い物難民に対して豊かな食生活を提供するという同社の理念を実現したい考えだ。
また、オイシックスが強みとする定期購入モデル(サブスクリプションコマース)で得た知見を活用し、購入履歴のデータベース化、分析、提案力の強化などを通じ、利用者1人当たりの売上を効率的に伸ばすほか、累計200万食以上販売している献立キット「KitOisix(きっとおいしっくす)」のシニア顧客向けなど、とくし丸の利用者にあわせた付加価値の高い商品開発も検討する。
現在、とくし丸の年間流通金額は約15億円だが、オイシックスの強みを活用することで、年間流通金額を、3年後には6倍以上の100億円とすることを目指す。