国内EC流通総額について、第4四半期は5,584億円で前年同期比6.6%増、2014年通期は2兆円超えとなった。
好調の原因について三木谷浩史会長兼社長は、「モバイル比率が44%にまで上がってきているが、早くから対策してきたことが1つ。また、海外のマーケットプレイス等とは異なり、ショップとwin-winの関係をつくろうとしていること。さらに、動画の活用や、楽天ロッカーなど新しい取り組みも功を奏していると見ている。Yahoo!ショッピングの無料化戦略があったが、楽天は出店基準を厳しくしたりとクオリティを上げ、消費者向けの補償サービスを実施するなど、安心・安全にショッピングしてもらえるように取り組んでいる。これらが要因では」と述べた。
売れ筋商品を聞かれると、「全般的に売れているが、特にファッションは好調、また、消費税増税により、食品・日用品も伸びている」と答えた。
出店店舗が利用しているプランについて、プロショップ向けの「メガプラン+スタンダードプラン」の割合が前年同期と比較して増加。3四半期の際に発表された(記事)、2014年9月と比較しても伸びている。
出店店舗数は41,442ショップと、前年同期と比べて500ショップほど減。店舗あたりの流通額は4,800万円と伸びを見せている。
海外ECについては、買収したEbatesが伸びを見せ流通総額が1,649億円に。台湾楽天カードの発行に加え、ヨーロッパでのバンキングライセンス取得により、日本と同様のエコシステムを目指すとのこと。
「これまでプラットフォームがバラバラだったが、統一することによってノウハウ共有が進み、システムコストが大幅に削減でき、クロスボーダー取引が促進できる。見える景色が変わってくる」とコメントした。
今後も国内EC市場を成長させていくためには、「『楽天スーパーDEAL』など、新しい販売モデルを開発していくこと。ビッグデータを活用し、個々のお客様に合わせた商品レコメンデーションをしていくこと、スマートフォンでの購買をさらにしやすくするため、ユーザビリティを上げていくこと、楽天ロッカーをはじめとする新しい配達形態に取り組んでいく」の4つを上げた。
2015年について、「とくに第2四半期については、消費増税の大反発があるはずなので、対応していきたい」としつつも、さらなる成長を確信している表情を見せていた。