木村屋總本店と日本電気(以下、NEC)は、Abema TVの恋愛番組「今日、好きになりました。」の参加者の会話と、フルーツやスイーツが登場する曲の歌詞をNECのAIで分析。恋愛感情と食品を紐づけて味を表現した、「恋AIパン」5種を開発した。
木村屋總本店は、恋AIパンを2024年2月1日から順次、関東近郊のスーパーや同社直営店、オンラインショップにて販売開始する。
創業155年を迎える木村屋總本店は、百貨店やスーパーなどの販売チャネルで商品を展開してきた。そのため、若年層の新規顧客や認知獲得が課題だった。そこで、同様の課題を持ち、これまでプリンやクラフトビールなどAIを活用した食品開発の実績があるNECとタッグを組んだ。
現役高校生が参加し、話題を呼んでいる「今日、好きになりました。」の番組内容を活用。恋愛をテーマにした商品開発に至ったとのこと。
AIを用いた「恋AIパン」開発プロセス
- NECの最先端AI技術群「NEC the WISE」の音声認識技術を活用した「NEC Enhanced Speech Analysis-高性能音声解析-」を活用。「今日、好きになりました。」のセブ島編、プーケット編、沖縄編の3シーズン(2022年7月~配信)における出演者の会話データ15時間分をテキストとして抽出。
- NEC the WISEのデータ意味理解技術を活用した「NEC Data Enrichment」を用い、出会いや告白、初めてのデートといった、恋愛シーンごとの会話文に32個の感情ワードとの相関を表した感情スコアを付与。恋愛シーンごとの感情の傾向を可視化。
- 約100万曲の日本語の歌詞データベースから、183種類のフルーツやスイーツなどの食品を含む約3.5万曲を抽出。NEC Data Enrichmentで、食品を含む歌詞に感情スコアを付与し、食品のイメージが持つ感情の傾向を可視化。
- 感情の傾向が似ている恋愛シーンと食品を紐づけ、恋の感情を表現する食品上位50種をリストアップ
- 過去に多くの蒸しパンを開発してきた職人が、AIで導かれた食品50種から相性の良い食品の組み合わせを選定し、恋を味として再現する恋AIパンを開発。
- NEC開発のLLM(大規模言語モデル)「cotomi(コトミ)」を活用し、食品や感情データをもとに、商品パッケージや特設サイトで用いられる商品解説文を作成。