ソニーセミコンダクタソリューションズ、Hacobu、レスターエレクトロニクスは、エッジAI技術の活用で物流倉庫の荷物積み降ろし場(バース)における作業効率を向上するサービスを開発し、2023年11月より提供開始した。
本サービスでは、運送トラックによる荷物積み降ろし場の利用実績取得や作業時間の計測を自動化。ドライバーの不要な待ち時間および倉庫内従業員の作業時間の短縮に寄与するとのこと。
3社は、三井倉庫サプライチェーンソリューションからの課題提起と解決に向けた要件を作成、千葉拠点での実証実験を経て、2023年11月より同拠点で正式に本サービスを導入した。
なお、本サービスは、ソニーセミコンダクタソリューションズのエッジAIセンシングプラットフォーム「AITRIO(アイトリオス)」、Hacobuのトラック予約受付サービス「MOVO Berth(ムーボ・バース)」、レスターが開発したトラックのナンバープレート検知/認識結果と予約情報との照合判定を行うアプリケーションを組み合わせ、システム統合することで実現した。
本サービスの特長
AI機能を搭載したエッジデバイスにより、運送トラック車両のナンバープレートを検知/認識することで、入退出情報を受付/記録。MOVO Berth上のUI画面に作業開始および終了の実績データを自動反映する。従来は管理困難だった積み降ろし時間の実績データを取得でき、さらに手入力による申告で起こりがちな入力忘れや間違いを防止する。
また、MOVO Berth上に予約情報がない車両でも、照合判定アプリのログとして実績データの取得が可能。取得データを分析することで、ドライバーの不要な待ち時間や作業時間の短縮に貢献する。
各社の役割
ソニーセミコンダクタソリューションズ
- AI処理機能を有するインテリジェントビジョンセンサー「IMX500」の提供
IMX500を搭載したエッジデバイスが、ナンバープレート検知/認識結果に関するメタデータのみを出力することで伝送データ量を削減し、システム全体の運用コストを抑えることに貢献する。
- 効率的なエッジデバイス管理やアプリケーション開発・運用のために、Microsoft Azure上で構築されたクラウド環境「AITRIOS」を提供
- IMX500を搭載したエッジデバイス上で動作する、トラックのナンバープレート検知/認識を行うエッジAIモデル「AI Service」を提供
Hacobu
- トラック予約受付サービス「MOVO Berth」を提供
- MOVO Berthに荷物積み降ろし場の利用実績を自動取得し、さらなる待ち時間および荷物の積み降ろし作業時間の削減、物流センター運営におけるコスト削減・生産性向上を支援
レスターエレクトロニクス
- AITRIOSから得られたナンバープレート検知/認識結果と、MOVO Berthの予約情報に登録されたナンバープレートとを照合判定するためのアプリケーションを開発