SAPジャパンは、スキルレベルや担当分野にかかわらず、あらゆる開発者をサポートするローコード/ノーコードツールの機能強化について発表した。具体的には、ウェブアプリケーションやモバイルアプリケーションを開発するノーコードツールSAP AppGyver(エスエーピー・アプガイバー)、ワークフロー管理とRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)のための直感的なノーコードソリューションSAP Process Automation、そしてアプリケーションやプロセスの統合をシームレスに行うiPaaS(Integration Platform as a Service)であるSAP Integration Suiteが含まれる。
これにより、ITリソース不足が深刻化する昨今において、コーディングスキルを持たないユーザーでも業務アプリケーションを構築したり、システム統合にかかる時間や工数を最小化したりできる。
ノーコードアプリケーション開発においてSAPアプリとの統合を簡素化
SAP AppGyverは、あらゆるスキルレベルの開発者がドラッグ・アンド・ドロップでエンタープライズ対応のアプリケーションを構築できるノーコードツールと開発環境である。次の新機能は、エンタープライズグレードのアプリケーション開発をさらに簡素化するという。
- SAP Business Technology Platformの機能を活用し、SAPアプリケーションのデータモデルに、より容易に接続できるようになり、リッチなユーザーインターフェースを構築するためのSAP Fiori デザインを含む、拡張されたコンポーネントライブラリを提供する。
- クラウドホスティングされたデータモデルとアプリケーションロジックを視覚的に構築できるよう、新たなクラウド機能を提供する予定で、これによりユーザーは複雑でエンド・ツー・エンドのエンタープライズ対応アプリケーションの構築においても、ノーコード開発環境を利用することが可能となる。
連携性を高めてビジネスユーザー向けの複雑なワークフロー構築を迅速化
SAP Process Automationソリューションは、ワークフロー管理とRPAのための直感的なノーコードソリューションで、ビジネスプロセスの自動化を簡素化し、プロセスの効率を向上させ、ビジネスの俊敏性を高めることが可能に。次の新機能の追加により、ビジネスユーザーと開発者のコラボレーションによるプロセスオートメーションの構築とカスタマイズがさらに容易になった。
- SAP Business Application Studioとの統合的なプロジェクト管理機能が追加され、市民開発者とプロ開発者が効果的に連携し、ノーコードツールで実現できる部分に、従来のプロコード開発を組み合わせ、開発迅速性を失わずに、より高い制御性と柔軟性を得ることが可能。
- 開発したプロジェクトは、新しく追加されたインポートおよびエクスポート機能によりユーザー間で共有や、関係者間のコラボレーションを簡素化できる。
- SAP Process Automationは現在、SAP Business Technology PlatformのFree Tier(無料の利用枠)の対象に。また認定資格取得の準備に役立つ無料の学習コンテンツSAP Learning Journeyも活用することができる。
新しい規格のサポートやAPIの追加によりエンタープライズレベルの統合を加速
SAP Integration Suiteは、SAP Business Technology Platformの一部で、エンド・ツー・エンドのビジネスプロセス整流化を実現するため、ローコード/ノーコードでアプリケーション間の接続性を高め、統合を加速する。新たな機能強化点は次のとおり。
- 商取引や輸送のための電子データ交換(EDI)に用いられる最新の国際標準規格をサポートします。社内システム連携だけでなく、B2BやB2G(Business to Governance)の最新統合要件においても、統合的な管理が可能となった。
- SAP Integration Solution Advisory Methodology(エンタープライズ統合戦略策定メソッド)に基づくIntegration Assessment機能が追加され、顧客の組織固有の統合に関する意思決定に役立つガイドラインを作成できるようになった。
- SAPのインダストリークラウド向けのAPI、統合コンテンツ、コミュニティが、SAP API Business Hubで利用できるように。これらを活用することで、ローコード/ノーコードでのアプリケーション統合が加速する。