リニューアル時のECサイト分析は、まず「概要」から
ECサイトのリニューアルの設計を進めるにあたっては、現状サイトの分析・診断が欠かせません。日々運用しているサイトの抱える課題やその改善策について、大まかな方向性や仮説を立てるのは決して難しいことではないと思いますが、その仮説がはたして正しいのか、また具体的な改善策は何なのかを検証するうえで、現状サイトの分析はとても重要です。
そこで今回は、Google アナリティクスを使ったECサイトの分析・診断方法を紹介します。
ECサイトは顧客のターゲット層や商材による特性、商品ページやコンテンツの量・質といった内的要因はもちろん、オウンドメディアのある・なし、メールマガジンやSNSの活用状況、リスティング等ネット広告の運用状況など、考慮すべき外的要因も多く、それらをいきなり1つひとつ見ていくというよりは、まずは概要を把握するのがよいでしょう。
筆者が作成した外的要因分析用のテンプレートを紹介します。お使いのGoogle アナリティクスにログインのうえ、以下のリンクからテンプレートをインポートして、ご自身のECサイトのアクセス概要を見てみましょう。それぞれのテンプレートを左カラムから順に追っていくと、サイトの特性・性格が見て取れるはずです。
テンプレート【1】ユーザーサマリと訪問数
https://www.google.com/analytics/web/template?uid=XDIij6lORfK1Yq20dv6khg
テンプレート【2】トラフィックサマリとネット広告
https://www.google.com/analytics/web/template?uid=Ij9f6lUuRt6ACnlU0lWoow
仮説とデータが乖離していないかを確認しよう
短期間や長期間で見たり、平常時やセール時で比較したりしてみましょう。現状サイトの特性・性格が見えてくることと思います。
受注データを見る限りはPCが多いのに、アクセス上では意外にスマホ・タブレットでの閲覧が多かったり、メールマガジンやSNSの情報発信より、思いのほかWebサイト上での情報発信のほうが反応が大きかったりするかもしれません。
さまざまな外的要因の数値・割合・推移のダイジェストを一表上で把握することで、日々運用する中で、肌感として感じていた特性・性格と、想像していた通りの部分や、少し異なっている部分が、明らかになることでしょう。イメージしていたリニューアルの方向性や仮説と、アクセス分析上で見えてくるサイトの性格や課題点に、相違がないかどうかを確認することが重要です。
先にも述べたように、ここで挙げた外的要因の他にも、コンテンツ軸やコンバージョン軸といった内的要因の分析も重要です。ご自身なりにテンプレートをアレンジし、分析を深めていただければと思います。また、こうしたテンプレートの作成・活用は、リニューアルの設計だけでなく、日々の定点観測や運用改善にも大いに役立つことでしょう。