売れてるネットショップとそうでないショップの違い
経済産業省の「平成22年度 消費者向け電子商取引実態調査」において、年商1,000万円未満のネットショップが64.3%、年商1億円以上が8.3%と発表されています。
年商1,000万円では、単純に計算すると月商85万円程度。粗利が50%、経費が25%と仮定すると、手元に残るのは月21万円程度です。事実上、商売としては成立していないと言えるのではないでしょうか。そうした事業主が6割を占めているのがネット通販業界なのです。
では、儲かっているネットショップとそうでないネットショップは何が違うのでしょうか。
広告費?
SEOで上位になること?
実績ある制作会社にネットショップを作ってもらうこと?
いずれも重要ですが、最優先事項ではありません。一番重要なことは、戦略です。戦略というと広義から狭義まで様々な解釈がありますが、今回は、「お客様からの評価」という視点で見ていきたいと思います。
競争戦略について考え、実行する情熱はありますか?
戦略において、というよりも商売においてでもですが、一番のポイントは「どの市場に、どんな人間が、誰に、何を売るか」ということです。どの市場とは業界を、どんな人間とは売り手、誰にとはお客様、何をとは販売する商品やサービスのことを指します。
売るということは、お客様に欲しいと思ってもらう、必要だと感じてもらうことです。お客様は商品やサービスに価値を見出して、対価としてお金を払います。その際に価値を見出すために、多くの人は他の情報や自分の経験と比べます。他のものと比べて価値を見出すのです。
これは、過去の自社サービスや他社サービスとの競争と考えたほうがわかりやすいです。競争戦略についても様々な解釈がありますが、わかりやすく説明すると、
- コスト・リーダーシップをとる
- 差別化する
- 特定の領域に特化する
という3つの手段しかないと言われています。それ以外では他社に競り勝てない、選ばれないわけです。
1の「コスト・リーダーシップ」とは、低価格で大きなシェアを独占していく手法で、多くの場合、大企業がとるものです。中小零細ネットショップの場合は、2、3のように、特定の領域(地域やジャンル)もしくは、取り扱う商品での機能的なものやデザインで差別化や他社が真似できない、したくない売り手のサービス、それを運用する体制づくりを行っていくしか勝ち残る道はありません。
まず、その前提を理解している、できているでしょうか。考え、実行していく担当者や責任者の情熱はあるでしょうか。逆に言えば、そこさえクリアされていたら、そのネットショップはすでに80%の確率で売れると言えるでしょう。