ネットショップ構築サービス、選択のポイントは3つ
ネットショップ構築サービスは、海外では2~3年くらい前から急速に増えてきました。これは、決済のデータをやりとりする形式がほぼ統一されてきたり、サーバーのレンタルやクラウドサービスの進化、メール配信サービスなど、さまざまな付加価値をつけることによって、無料、または低価格でサービスを提供できるようになってきたという背景があります。
それにともなって、日本でもここ1~2年くらいの間に、いくつものインターネット企業が日本語によるネットショップ構築サービスを展開しはじめています。まだ生まれて間もないサービスでもあるので、各社さまざまな付加価値を付けてはいますが、それだけに、これからネットショップを始めようとしている初心者の方にはわかりにくところが多くなっています。
ネット構築サービスを選ぶポイントは次の3つです。
- 無料か有料か。
- 使いやすいか。
- 拡張性があるか。
ポイント1:無料か有料か。
これは重要なポイントです。毎月のランニングコストに直接関係してくるのはもちろん、後述するように、無料サービスと有料サービスでは使える機能の数や制限が大きく異なるからです。
また、当初は無料でも、より高度な処理を行うことができるオプション機能として有料で提供しているケースもあります。そして、忘れがちなのが保存容量です。
現在、多くのネットショップ構築サービスは、クラウドサービスで提供されています。世界各地にあるデータセンターの1台のサーバー内に仮想化したサーバーを複数展開して、それをユーザーに貸し出して、ユーザーはインターネットからサーバーにアクセスするという形態です。
もちろん、データセンターにあるサーバーには保存容量の限界あるため、ユーザー(ここではネットショップのオーナー)に貸し出される記録容量にも限りがあります。無料サービスの場合には1GB程度ですが、有料サービスの場合は数十GB~数百GBと料金によって、保存できる容量の大きさが異なります。商品点数が多く、商品写真を数多くアップロードしたり、ページ数を増やしたりするとたちまち容量一杯になってしまいます。
無料で提供しているサービスは、容量を増やしたくなってお客さまが課金してくれるのをビジネスモデルにしています。ネットショップをよりよくするには、無料のままではなかなか難しいということに注意しなければなりません。
ポイント2:使いやすいか。
これは、実際にネットショップ構築サービスを使ってみないと分からないところです。連載4回目以降で実際にサービスを使ってネットショップを作ってみるので、参考にしてください。
「使いやすさ」というのは、簡単にページが作れたり、設定が楽だということもありますが、ネットショップのオーナーとして必要な機能がきちんとサポートされているかがより重要です。いくら簡単にページが作れても、商品の受注状況がすぐにわからなかったり、お客様が使う上で不便だったりするのでは困るからです。管理機能の豊富さやお客様から見て使いやすいサービスであるかがポイントになります。
実際には、無料でネットショップを構築できるサービスをいくつか利用してみて、一番、自分にとって使いやすいところを選択して、ある程度規模が大きくなったり、使いこなせるようになったら、その無料サービスを展開している会社の有料サービスに移行するというのが妥当なロードマップだと言えるでしょう。