気軽に小物の配送などを行えるレターパックは、プライベートでの利用だけでなくEC事業者の間でも人気の高い配送方法として知られています。ゆうパックなどとは別枠として設けられているレターパックですが、商品が到着するまでにはどれくらいの日数を必要とするのでしょうか。
この記事では、レターパックのサービス概要や到着日数、2024年問題の影響などについて解説します。
レターパックについて
レターパックは、日本郵便株式会社が提供する小物配送サービスの一種です。レターパック専用の封筒に商品を封入することで、全国一律料金で配送を依頼することができます。
レターパックの最大の特徴は、郵便窓口だけでなくコンビニからも発送できる点で、配送業務に伴う負担の大幅な削減につながります。そのため、EC事業者だけでなく、平日に時間を確保することが難しい副業でEC事業を展開する方にも利用されています。また、土日祝日の配達にも対応しているので、いつでも気軽に利用できる柔軟性の高い配送サービスです。
レターパックの種類
前述の通り、レターパックは小物の配送に適したサービスですが、利用目的や荷物の大きさに応じて選べるよう、2種類のサービスが用意されています。それぞれの特徴は以下の通りです。
- レターパックライト
- レターパックプラス
それぞれでどのようなサービスの違いがあるのか、確認しましょう。
レターパックライト
レターパックライトは、郵便受けに商品を届けてくれるサービスです。全国一律430円(税込)で利用できる配送料の安さが魅力で、小物や書類などの配達に最適なサービスといえます。なお、レターパックライトの郵送料は、2024年10月1日に370円から430円へ値上げされています。
利用可能な梱包物の条件は以下の通りです。
- サイズ:A4ファイルサイズ(340mm × 248mm)
- 厚さ:3cm以内
- 重量:4kg以内
届け先の郵便受けに収まる範囲で利用できるサービスであると覚えておきましょう。
レターパックプラス
レターパックプラスは、対面での配達を希望する時やレターパックライトでは収まらない厚みの商品を配送するときに利用を検討すべきサービスです。全国一律600円(税込)で利用ができます。なお、レターパックライトの郵送料は、2024年10月1日に520円から600円へ値上がりしています。
利用可能な梱包物の条件は、以下です。
- サイズ:A4ファイルサイズ(340mm × 248mm)
- 厚さ:指定なし
- 重量:4kg以内
レターパックライトとは異なり、4kgを超えない限りは厚さについての指定がないため、厚みのある物品の配送を行えます。
レターパックのメリット
レターパックの利用は、EC事業者にとっては特に以下の3つのメリットがあります。
配送料が安い
前述の通り、レターパックはゆうパックをはじめとする通常の宅配便サービスよりも安価に商品を配送できるのが特徴です。専用パックに収まり規定の重量を超えない限りは全国一律の配送料で利用できるため、アクセサリー(貴金属不可)や小物、本などの商品を扱う事業者にとって、頼りになる配達サービスです。
送料の支払いもレターパックの封筒を購入することで完了するため、窓口での支払い手続きを省略できる点も利便性の高いポイントです。
コンビニで購入できる
レターパックの利用に際しては、その都度専用の封筒を購入する必要があります。ただ、レターパックの封筒は、郵便局はもちろん、コンビニでも購入できるため、いつでもどこでも手に入れやすいのが特徴です。
ただ、一部のコンビニでは扱っていないケースもあるため、購入の際には当該店舗か最寄りの郵便局で確認しておきましょう。日頃からレターパックを頻繁に使用する場合は、郵便局のネットショップからのまとめ買いを利用すると便利です。
追跡サービスで配送状況を確認可能
レターパックは安価でありながら、追跡サービスにも対応しています。
専用封筒に貼付されている問い合わせ番号を保管しておけば、インターネットで配送状況や到着予定日を確認できます。正確な到着日程を確認したいという要望がある場合、送り先に問い合わせ番号を共有して、追跡サービスの利用を紹介するとよいでしょう。
レターパックの到着日数
レターパックの到着にかかる日数は、特定の遠隔地や離島を除いて発送から1~2日程度とされています。土日祝日も配達され、短期間で送り届けることができます。
レターパックの出し方
レターパックの利用方法は、いたって簡単です。基本的には以下の6つの手続きで完了します。
- レターパック専用封筒の購入
- 商品の梱包
- 記入欄にお届け先情報の記入
- レターパックへ商品の封入
- 問い合わせ番号シールの保管
- 投函・窓口への差し出し
投函時には、レターパック専用封筒にあらかじめ貼り付けられている「ご依頼主さま保管用シール」を、剥がし忘れないよう注意してください。シールには追跡サービスの問い合わせ番号が記載されてあるので、あとで送り先に共有したり、配送状況を自分で確認したりすることができます。
2024年問題に伴うレターパックのサービス変更の概要
このように、レターパックは手軽かつ安価に利用でき、多くの地域で発送から1〜2日程度で配達されるという便利なサービスです。しかしながら、物流業界の2024年問題の到来に伴い、レターパックの配送サービスにも少し影響が出ています。
2024年問題について
2024年問題は、物流業界における残業時間の上限規制が行われる問題を指しています。近年、物流業界の長時間労働が社会問題となっていることから、国が法改正に踏み切りました。この規制強化によって、物流業界の輸送能力が大幅に低下すると予想されており、従来通りのサービス提供が困難になる事業者が多数出現することが危惧されています。
2024年問題への対処として、物流業界ではDXをはじめとする業務効率化や新しい業務プロセスの導入を進めています。それだけでなく、日本郵便を含む多くの企業では、これまで提供してきたサービスの見直しを行うことでもこの問題に対応しています。レターパック料金の値上げも、その一つだと言えるでしょう。
到着にかかる日数の変更
2024年問題のレターパックへの影響はあまりないとされていますが、一部到着日数の変更があります。
一部地域に限り、これまで翌日午後に届いていた地域への配送が、最大で半日後ろ倒しになるとのことです。多くの地域ではこれまで通り翌日配達が維持される予定ですが、対象の地域かチェックしておくとよいでしょう。
また、EC事業者によく利用されるゆうパックも2024年問題の影響を受ける見通しです。レターパックと同様、一部地域でこれまでの翌日配達から、最大で半日程度の後ろ倒しになります。この遅延が発生する地域が、ゆうパックの場合はレターパックより多いため、ゆうパックを利用される方は事前に日本郵便の公式サイトをご確認ください。
配達可能時間の変更
また、配達時間の指定についても2024年問題の影響が出ています。これまではゆうパックの利用に際して利用可能だった、20時〜21時の到着指定を2024年10月1日以降廃止します。
ただ、レターパックについては元々時間の指定はできないサービスであるため、そこまで大きな影響はないでしょう。
レターパック利用の注意点
レターパックの利用に際しては、以下の点についても事前の確認が必要です。
重量と厚さの制限がある
前述の通り、レターパックで送ることのできる商品には重量と厚さの制限があります。レターパックライトの場合は重量が4kg以内で、厚さは3cm以内であることが必要です。レターパックプラスの場合、ライトにはある厚さ制限がありません。分厚い物品を送りたい場合はこちらを利用しましょう。
なお、レターパックライトは受け取り先のポストに届けるなどの配送の都合上、厳しく重量や厚さの制限をチェックしている配送方法でもあります。制限をオーバーした場合差出人に返送され、配送手続きをやり直す必要なども出てくるため、投函前にしっかり確認しておきましょう。
レターパックで送れない物品もある
レターパックは小物を配送するのには最適のサービスですが、取り扱い不可の物品もあります。現金、貴金属などの希少性の高いものや、爆発物や毒物などの危険物の送付はできません。
そのため、レターパックの利用は本やゲームソフト、衣類などの一般的な物品の送付に利用しましょう。
まとめ
この記事では、日本郵便が提供する手軽で安価な小物配送サービス「レターパック」について、その概要やメリット、到着日数、出し方などを詳しく解説しました。
レターパックは全国一律料金で利用でき、郵便局だけでなくコンビニでも購入・発送ができ、送り状も不要なため、特にEC事業者にとって重宝するサービスです。通常、到着日数は発送から1~2日程度ですが、2024年問題の影響により、一部地域で遅延が予想されています。
2024年問題の影響は他の配送業者にも及ぶため、今後は即日・翌日配送などのサービスが制限される可能性があります。状況を見据えながら、自社に最適な配送方法を選択していくことが肝要です。
なお、日本郵便はレターパックに類似するサービスとして「スマートレター」を提供しています。レターパックとスマートレターの違いについて気になる方は、こちらの記事も併せて読んでみるとよいでしょう。