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季刊ECzine vol.23定点観測

マーチャントセンターがすべての起点に Google上で買い物が完結する世界へ

 EC事業者がおさえておきたい13のテクノロジー関連トピックスの「定点観測」。LIFTの岡田さんに、Googleについて聞きました。※本記事は、2022年12月25日刊行の『季刊ECzine vol.23』に掲載したものです。

商品データとつながるための各アセットのアップデート続々

 2022年9月28日(現地時間)に米Googleは「Search On 2022」を開催した。「9 new features and tools for easier shopping on Google」などの記事に代表されるように、コマースに関連するアップデートも数多く発表されている。今回紹介するアップデートはまずはアメリカからで日本での実装時期は未定なものも多いが、その内容からはGoogleのショッピングへの本気度がうかがい知れる。

「大前提として、検索や動画、Discover、OS、Pixelのような端末などGoogleが持っているアセットが、Buy on Google(Googleで購入)とマーチャントセンターを通じて接続されていく世界観があります。その世界観を実現するためアップデートが2022年にはいくつかあり、象徴的なものとしてSearch On 2022で発表された形です」

 Buy on Googleは端的に言えば決済手段の拡張だ。取材時点ではアメリカ限定で利用できる機能でGoogleのコミッションは0円となっている。

「Googleが持つさまざまなアセットは、生活のあらゆるところに接触ポイントがあります。Googleにマーチャントセンターを通じて商品データを接続すれば、その時々の接触ポイントで認知や購入を促してもらえるようになるわけです。Buy on Googleにつながればサイトに遷移しなくともその商品に出会った画面上で決済することも可能になります」

 マーチャントセンターに商品データをアップデートし続けていると、その商品データとGoogle上のコンテンツを機械学習で結びつけてくれる。わかりやすい例がGoogle レンズだ。スマートフォンでGoogleレンズを立ち上げ、カメラのアイコンを押して写真を撮ると検索結果で撮影したものについての情報を提示してくれる。

「従来は『今撮影した風景は○○公園です』といった情報を与えてくれましたが、マーチャントセンターとつながることで、『今撮影したこのブラウスは、このブランドのこの商品で価格はいくらです。コーディネートのご参考はこちらで、購入はこのサイトでできますし、Buy on Googleなら今この場で買えます』という世界に向かうわけです」

 前述の「9 new features and tools for easier shopping on Google」では、9つの新機能が大きく3つのテーマで紹介されていた。最初は「より視覚的なショッピング」として、“shop”という単語を含めて検索すると商品を優先して表示するようになる「Search with the word “shop”」、画面上でコーディネートしながら買い物ができる「Shop the look」や、それにトレンドアイテムを表示する「See what’s trending」などが新機能として発表されている。

 続くテーマは「より安全に購入」だ。「Get help with complex purchases」というGoogleの検索結果上で見られる比較機能では、さまざまなサイトから信頼できる情報とされたものがスペックとして1箇所に表示され、購入ガイドが受けられる。「See what other shoppers think」など、他のユーザーのコメントなども閲覧可能になるようだ。

 最後のテーマは、「パーソナライズされた購入体験」である。現在でも検索結果のショッピングタブを見ると画像が出てきて色やサイズで自分にあわせてフィルターをかけることができるが、今後は検索トレンドなどを反映し動的なフィルターになるよう、日々改善が続けられている。

 他にも、YouTube ホームフィードやGmail等のGoogleのコンテンツフィードに表示される「ファインド広告」について、Discoverへの表示が発表された。GoogleアプリのDiscoverで、検索、閲覧、購入履歴に基づいてコーディネート記事や画像が提案されるようになる。コーディネート画像をタップすれば商品の情報が表示され、ECサイトへ遷移、もしくはBuy on Googleでその場で購入となるわけだ。

「すべての商品がGoogleにつながり、Googleで買い物が完結する世界を目指しています」

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