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ECzine Day 2024 June

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

季刊ECzine vol.02 特集

無名ブランドから900万本到達まで 15年間、単品で拡大を続けたライスフォースの軌跡


 日本人の主食である「米」。その美容成分に着目して開発された化粧品が、 発売開始から15年ほどで累計900万本を記録する人気商品、ライスフォースだ。 競合ひしめく業界で、単品通販の同社はどのようにシェアを拡大していったのだろうか。

 ライスフォースの製造と販売を行っているのは、香川県高松市に本社を構える株式会社アイム。単品通販では異例ともいえる記録を打ち立てた同商品だが、そこに至るまでの道のりは決して平坦ではなかった。無名ブランドの無名商品を話題にするメディアはなく、当時としてはめずらしくテレビの通販番組を開始したり、いち早くFacebookページをプロモーションに取り入れたりなど、まさに試行錯誤の連続だったのだ。

 今回は、同社の新事業を担っている山下省三さんに、変わりゆく広告媒体と共に進化してきたアイムのマーケティング戦略の変遷についてうかがった。

テレビからウェブへ時代の変遷と共に変わるプロモーション戦略

株式会社アイム HC事業部 事業部長 山下省三さん

 アイムは、2003年という化粧品業界の中でもかなり早い段階でテレビのインフォマーシャルをプロモーションに取り入れた歴史を持つ。これは、当時の事業部長で現社長の沼田憲孝氏が採用した戦略であったと言う。

「今思えば、インフォマーシャルのはしりだったと言えるかもしれません。通販会社はいかに電話をかけていただくかが勝負のため、当時はCMの内容を磨くことに注力していました。その頃、ウェブはまだ、公式サイトをようやく立ち上げたばかりの頃。広告は本当にわずかしか出稿していませんでした」(山下さん、以下同)

 当時、総合通販を営んでいた会社の一事業部であったアイムの前身では、単品通販が初めての経験だったこともあり、商品の完成から5年ほどは、とにかく売れるための試行錯誤を重ねていたと言う。

 そもそもライスフォースは、主力商品の価格帯が8,000円から1万円程度と、決して求めやすい商品ではない。ましてや、当時は商品もブランドもまったくと言っていいほど無名で、PRのために雑誌社を回っても見向きもされなかったそうだ。それでも自分たちの商品の質を信じ、根気強く売り込むことによりリピーターの裾野を確実に広げていったのだ。

 当初はテレビをメインとし、ウェブはそれに付随するものという扱いをしていたアイムだったが、徐々にそのバランスが変わり、主力がウェブへシフトしていった。2007年頃、ついにその立場は逆転し、ウェブ広告への出稿割合がテレビを上回った。

「その頃扱っていたウェブ広告は、リスティングやアフィリエイト、それに『純広』と呼ばれる枠を購入する予約型です。純広は四半期に一度、翌期の枠を発注するというやりかたで、万が一枠をおさえることに失敗すれば、翌四半期はまるまる出稿できないことになります。しかし今思えば、クリエイティブのテストや検証はそれほどできず、現在の運用型のやりかたとは大きく違っていましたね」

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ECzine編集部(イーシージンヘンシュウブ)

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渡邊 徹則(ワタナベ テツノリ)

株式会社Version7代表取締役。Web・コンテンツ制作、分析、マーケティングなどを手掛ける。 執筆業では、主にソーシャル、EC、海外サービス、メディアなどが専門。 会社概要 - seven@ver7.jp - Twitter/Facebook @brigate7

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