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Salesforce、自律型AIエージェント「Agentforce」でコマース領域の効率化を実現

2024/09/18 06:00

通知

　Salesforceは、サービス、セールス、マーケティング、コマース領域のタスクを自律的に処理するAIエージェントのスイート「Agentforce」を発表した。

　Agentforceは、組織や業界に関わらず、独自のAIエージェントを容易に構築・カスタマイズでき、企業が必要なときに労働力を拡張。データ分析、意思決定、顧客サービス対応、見込み顧客の選別、マーケティングキャンペーンの最適化など、あらゆる業務のサポートを行うAIエージェントとなっている。

機能と仕組みについて

　Agentforceは、Salesforce Platformに組み込まれた技術と連携し、顧客データをリアルタイムで統合。自律型AIエージェントをローコードで迅速に構築・展開できるツールを提供する。

Salesforce Platformのイノベーション

データ

　Data Cloudを中心としたSalesforce Platformを活用し、システム全体にわたるすべての顧客データとメタデータをリアルタイムで統合。Data Cloudが「ゼロコピー」機能を提供することで、Salesforce利用企業は、構造化データと非構造化データをコピーすることなく外部システムから接続可能となる。これにより、迅速かつ容易な検索と分析およびアクションが実現できる。

AI

　新たなAtlas推論エンジンが意思決定をサポートし、業務効率化に貢献するという。

自動化

　MuleSoftやSalesforceの既存の自動化機能と統合することで、顧客は構築済みの最適化されたワークフローとアクションを利用し、Agentforceの機能拡張が可能に。また、Agentforce向けに新しい自動処理を作成することもできるため、企業はより迅速に成果を得ることが可能となる。

すぐに利用可能なAIエージェント

　AgentforceのAIエージェントは、コーディングなしでカスタマイズや導入が可能となっている。セットアップや拡張は数分で完了し、あらゆるチャネルで24時間稼働するAIエージェントの構築が実現できる。

Service Agent

　従来のチャットボットをAIに置き換え、カスタマーサービスの効率化が可能となる。

Sales Development Representative（SDR）

　CRMや外部データに基づいて、24時間体制で見込み顧客への対応が可能に。企業は顧客との関係構築により集中できるようになる。

Sales Coach

　Salesforceのデータと生成AIを活用し、営業チーム向けに案件内容に応じてパーソナライズされたロールプレイセッションを提供する。

Merchant

　EC事業者向けに、サイトの目標設定やパーソナライズされたプロモーション、製品説明、データドリブンなインサイトを提供。日々のタスクの簡素化に貢献する。

Buyer

　BtoBの購買体験を強化し、購買担当者のチャットまたは販売ポータル内での製品発見や購入、注文の追跡を実現。

Personal Shopper

　ECサイトやメッセージングアプリでデジタルコンシェルジュとして、パーソナライズされた製品のレコメンデーションや商品検索の支援を実施。

Campaign Optimizer

　キャンペーンのライフサイクル全体を自動化し、AIを活用してビジネス目標に基づいたマーケティングキャンペーンの分析、コンテンツ生成、パーソナライズ、最適化を実行。

Agentforce（旧Einstein Copilot）

　Einstein Copilotをデータ検索から推論、計画立て、行動までできるAIエージェントにアップグレード。パーソナライズされたアシスタント型AIエージェントとしてデータの検索・分析、行動計画の作成・実行を実現することで、業務効率化に貢献する。

AIエージェントのカスタマイズと迅速な展開

Agent Builder

　ローコードツールでAIエージェントのカスタマイズを実現。業界やユースケースに合わせたソリューションを提供。

Model Builder

　Salesforce全体でカスタムAIモデルとLLMの登録、テスト、有効化を実現するローコードビルダーとコントロールプレーンを提供。ユーザーはモデルビルダーを使用して、選択したLLMのAPIキーを取得し、プレイグラウンドでのテストやPrompt Builderで使用するための有効化が実現できる。

Prompt Builder

　Prompt Builderの利用により、ユーザーは生成AIを利用したあらゆるエクスペリエンスの背後にあるプロンプトを、すぐに利用可能なテンプレートの中から選び、独自のCRM、またはData Cloudのデータを用いてカスタマイズすることが可能に。これにより、生成結果のアウトプットを強化したり、生成AIを利用したユーザーエクスペリエンスを業務フローに組み込んだりといったことができるようになる。

Agentforceのパートナーネットワーク

　Amazon Web Services、Box、Certinia、Copado、Coupa、Google、Honeywell、IBM、Workdayなど大手パートナーとのネットワークを構築。これらの企業は、Salesforce AppExchangeを通じて利用可能となる20以上のエージェントとエージェントアクションを構築しており、ユーザーはAgent Builderでこれらのアクションの活用が可能となる。

　なお、すぐに利用可能なAIエージェントのカスタマイズや、独自のスキルを持つ新たなAIエージェントの構築、パートナーが構築したAIエージェントの導入により、Salesforce外でも計画立案やアクションの実行が可能となっている。これらの統合は、パートナーとData Cloudのシームレスなデータ接続を可能にするSalesforceのゼロコピーパートナーネットワークに基づいて行われているという。