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ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

生活者と企業の新しいつながり コミュニティコマースの可能性を探る

村や集落の“物々交換”文化を情報で タマチャンショップがコミュニティ「タマリバ」で描く理想郷とは


 サードパーティCookieの規制を背景に進行している、企業のファーストパーティデータ豊富化の受け皿として期待が集まる「コマース」と「コミュニティ」。どちらも、企業やブランド・商品に対する熱量が高い顧客が集うことが、共通点であり特長となっています。これらをより密接につなぎ、マーケティングに活用していこうというアクションが「コミュニティコマース」です。本連載ではコミュニティコマースの概念から、事例や可能性・未来を整理・分析しながらお伝えします。第3回は、既にコミュニティコマースを推進し、顧客と密度の濃いコミュニケーションを実現している「タマチャンショップ」にフォーカス。前後編にわたり、有限会社九南サービスの代表取締役兼キャプテン 田中耕太郎氏、社長補佐 佐々木義和氏に話を聞きました。 ※本記事は前編となります。

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貴重な口コミから「幸せのサイクル」を生みたかった

舟久保(リワイア) 「タマチャンショップ」のEC運営は既に開始から20年以上、コミュニティ「タマリバ」は開設から2年になると聞いています。それぞれの特徴について、改めて教えてください。

田中(九南サービス) タマチャンショップはこれまで20年間、オリジナル商品の開発と販売を行ってきました。運営を行う上で大切にしてきたのが「美と健康をもっと楽しめる世界をつくる」というパーパスです。

 当店のパーパスを伝えること、そしてお客様にパーパスに共感していただくこと。その繰り返しが、タマチャンショップのブランドをつくってきました。

(写真左)有限会社九南サービス 代表取締役兼キャプテン 田中耕太郎氏、(写真右)有限会社九南サービス 社長補佐 佐々木義和氏
(写真左)有限会社九南サービス 代表取締役兼キャプテン 田中耕太郎氏
(写真右)有限会社九南サービス 社長補佐 佐々木義和氏

田中(九南サービス) パーパスに対する共感は、お客様レビューや口コミで実感できました。タマチャンショップで扱う商品について、InstagramやTikTokなどのSNSで紹介いただく声は非常に貴重です。その中には「この一つの口コミさえあれば、商品の魅力をより強く伝えられる!」と思えるような声も数多くありました。

 オリジナルの商品をつくり、提供し続けること。パーパスを伝え続けること。パーパスに共感したお客様の声を聞き、生かし続けること。これらがタマチャンショップの特徴です。こうした姿勢に共感してくださるお客様と、その声が一つに集まる場所、そこから「幸せのサイクル」を生み出したいと思って立ち上げたのが、タマリバです。

舟久保(リワイア) タマリバを設立した目的についても、お聞かせください。

田中(九南サービス) タマチャンショップ独自のコミュニティをもつことで、お客様一人ひとりが発信する情報をよりしっかり見て、反応・承認できると考えました。また、同様の関心をもつ他のお客様にも情報が届きやすくなります。

 タマチャンショップが20周年を迎えるにあたり、こうしたお客様の声が循環する仕組みを使って盛り上げていきたいと考えたのが、タマリバ開設の理由です。また、タマチャンショップがこれからも持続可能な運営を行いながら、日本市場や海外市場、世界の企業と渡り合っていくには、当社のスタッフ150名だけでなく、お客様の力もショップの力としていかなければならないと思っています。

 既に、タマリバには5,000名近くのお客様が登録しています。今はスタッフと合わせて総勢5,150名で、商品開発のためのアイデア創出や、口コミを生かした販促などを実施できている状況です。今後も、タマチャンショップの魅力をより広く伝え、日本を元気にしていきたい。そんな考えでタマチャンショップとタマリバを運営しています。

舟久保(リワイア) お客様の口コミの影響力は、私も実感しています。お客様へのアクションとして「傾聴する」は一般的ですが、「反応・承認」という言葉が出てきたのはとても印象的でした。傾聴はもちろん行われていると思いますが、たとえば口コミに対して自ら声をかける「アクティブサポート」のようなアクションもされているのでしょうか?

田中(九南サービス) もちろんです。私のマイブームは、口コミに対して返信することといっても過言ではありません(笑)。商品に対する感想をいただけるのは大変うれしいことですし、企業側から反応があったほうが口コミを投稿したお客様も喜ぶのではないかと考えています。

 そのため、口コミに対するアクションはマーケティングチーム全体で取り組んでいます。こうしたアクションが、私たちがお客様に支えられていることを忘れないきっかけにもなりますし、何よりお客様の声に触れ続けると元気が出るのです。タマチャンショップやタマリバを運営する一番のモチベーションになっています。

舟久保(リワイア) お客様の声が一番の元気の源となるのは、私も共感します!

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この記事の著者

株式会社リワイア マーケター 舟久保竜(フナクボ リュウ)

総合マーケティング会社で23年間、大手メーカーの商品開発・販促企画のアイディア創出のための調査から、クチコミマーケティングの企画・施策実行までの支援を行う。マーケティングに取り組む中で、新しいモノを作り販売していく、モノによる生活者とのつながりに限界を感じ、循環型社会とレコノミーの時代の到来を実感し...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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